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平成24年第328回定例会(第5号 9月26日)

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  1. 愛媛県議会 2012-09-26
    平成24年第328回定例会(第5号 9月26日)


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    平成24年第328回定例会(第5号 9月26日) 第328回愛媛県議会定例会会議録  第5号 平成24年9月26日(水曜日)   〇出席議員 47名   1番  菊 池 伸 英   2番  西 原   司   3番  福 田   剛   4番  中   政 勝   5番  逢 坂 節 子   6番  兵 頭   竜   7番  古 川 拓 哉   8番  松 尾 和 久   9番  欠     番   10番  欠     番   11番  欠     番   12番  横 山 博 幸   13番  玉 井 敏 久   14番  木 村   誉   15番  石 川   稔
      16番  梶 谷 大 治   17番  福 羅 浩 一   18番  三 宅 浩 正   19番  青 野   勝   20番  西 田 洋 一   21番  中 田   廣   22番  欠     番   23番  欠     番   24番  阿 部 悦 子   25番  佐々木   泉   26番  笹 岡 博 之   27番  黒 川 洋 介   28番  鈴 木 俊 広   29番  大 西   渡   30番  徳 永 繁 樹   31番  高 山 康 人   32番  泉   圭 一   33番  欠     番   34番  欠     番   35番  欠     番   36番  赤 松 泰 伸   37番  河 野 忠 康   38番  住 田 省 三   39番  毛 利 修 三   40番  渡 部   浩   41番  戒 能 潤之介   42番  本 宮   勇   43番  明 比 昭 治   44番  岡 田 志 朗   45番  横 田 弘 之   46番  越 智   忍   47番  村 上   要   48番  竹 田 祥 一   49番  寺 井   修   50番  西 原 進 平   51番  清 家 俊 蔵   52番  篠 原   実   53番  森 高 康 行   54番  中 畑 保 一   55番  山 本 敏 孝   ―――――――――― 〇欠席議員 なし   ―――――――――― 〇欠  員 なし   ―――――――――― 〇出席理事者  知事            中 村 時 広  副知事           上 甲 啓 二  副知事総務部長事務取扱   長谷川 淳 二  公営企業管理者       三 好 大三郎  企画振興部長        横 田   潔  県民環境部長        上 甲 俊 史  保健福祉部長        神 野 健一郎  経済労働部長        東 倉 勝 利  農林水産部長        高 木 健 次  土木部長          井 上 眞 三  会計管理者出納局長     三 好 晶 夫  教育委員会委員       西 田 真 己  教育委員会委員教育長    仙 波 隆 三  副教育長          井 上   正  人事委員会委員       池 田 公 英  公安委員会委員長      亀 岡 マリ子  警察本部長         高 木 勇 人  監査委員          岸     新  監査事務局長        本 田 和 良   ―――――――――― 〇出席事務局職員  事務局長          清 水   進  事務局次長総務課長事務取扱 藤 岡 俊 彦  参事議事調査課長      窪 田 克 博  副参事総務課主幹      菅   徹 夫  総務課主幹         堀 内 和 志  議事調査課主幹       二 神   晃  政務調査室主幹       豊 田 泰 正   ―――――――――― 〇本日の会議に付した事件  定第95号議案ないし定第132号議案  議発第8号議案      午前10時 開議 ○(岡田志朗議長) ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の会議録署名者毛利修三議員玉井敏久議員を指名いたします。   ――――――――――――――――― ○(岡田志朗議長) これから、定第95号議案平成24年度愛媛県一般会計補正予算ないし定第132号議案及び議発第8号議案を一括議題とし、質疑を行います。 ○(赤松泰伸議員) 議長 ○(岡田志朗議長) 赤松泰伸議員   〔赤松泰伸議員登壇〕 ○(赤松泰伸議員) (拍手)おはようございます。  本日は、我が党の新総裁が選出されます。日本再生に向けた記念すべき1日になりますように祈念して、質問に入ります。  我が国は、極論すれば、自民党政治が、戦後、ある意味で社会主義的な理念や平等・福祉といった側面をうまく融合し、高度成長に伴い、国の歳入の増加に合わせ、一方で減税、一方で福祉の充実が図られてまいりました。  ところがバブルがはじけて不況となり、歳入が著しく落ちる一方、高齢化の急速な進行と相まって歳出が急増し、ここから政治が難しくなってきたと思います。バブルがはじけて以来、高度成長期の残像もあり、長期的視点からの国の向かうべき方向を見失い、その場しのぎの対応に終始してきたのではないかと思われてなりません。  その上、失われた20年とも言われますが、改革なくして成長なし式の構造改革は、新自由主義とも言われていますが、弱肉強食むき出しの格差社会を広げ、デフレが深刻化し、失業率が上がり、社会不安が高まり、社会に閉塞感を蔓延させてまいりました。  また、グローバル化の進展もあり、企業が国を選ぶ時代となり、企業の利益、金融機関の利益、国の利益、労働者の利益が一致しなくなり、極言すれば、国際競争力の強化というのは、高付加価値化がない限り、人件費の抑制につながってきました。  一方、農山漁村では、地域住民が零細な農林水産業を維持しつつ、公共事業、特に建設業に従事し、副業収入により農機具等の機械化を図り、あわせて生活も何とか営み、高齢化が進む中、過疎化の進行に一定のブレーキの役割を果たしてきました。  平成9年の構造改革路線への転換により、公共事業削減に始まり、民主党政権での「コンクリートから人へ」が決定的となり、建設業の衰退が集落や地域社会の崩壊へとアクセルを踏み込み、地方の活力を奪い、また、市町村合併もその進行を早めたと私には思えてなりません。  このままでいけば、少子高齢化による過疎化がより加速し、生活環境面、医療、文化・教育面等、総合的定住条件が満たされなくなり、この国の地方と言われる農山漁村は衰退し、日本の原風景が消滅していくように私には思えてならず、いたたまれない気持ちでいっぱいであります。  政局面から少し振り返ってみると、不況期になり、小泉郵政選挙に見られるように、改革の名のもと、誰かわかりやすい敵をつくり、ターゲットにしてたたき、人々は留飲を下げられる。郵政民営化に反対する者は改革を阻むと決めつけ、郵政をたたき、建設業をたたき、公務員をたたく。そのマスコミ報道は銀座も宇和島も同じ。国民は一定の方向に流され、小泉チルドレン小沢ガールズ、政権交代の言葉のもと、一回やらせてみるかといった、もはや社会実験とも言える状況が生まれたように思われてなりません。  しかし、実際にはそんな実験が許されるような状況ではなかったのです。日本維新の会が結成されるなど政治が大きく動こうとしているこんなときこそ、時の流れに逆らい、ちょっと待てよと立ちどまり、事柄の本質を考える、立ちどまるゆとり、勇気を持ちたいものだと思います。  そこで、まず、日本維新の会についてお伺いします。  現状の国政にいたたまれない日本維新の会代表に就任予定の橋下大阪市長の思いは、大いに称賛、賛同する面もありますが、TPPへの参加等、賛同できない点もある日本維新の会が打ち出した維新八策について、知事はどのように評価されるのか、お聞かせください。
     次に、地方自治体のあり方についてお尋ねします。  自治体のあり方をめぐっては、特にここ10年ほどの間で大きな変化や動きがありました。最も大きかったのは、御承知のとおり、いわゆる平成の大合併であります。  新しい地方分権受け皿整備という名目で、国を挙げて進められた市町村合併は、全国に3,200以上あった市町村の数を一気に1,700ほどに激減させました。  本県では、先進県として全国的に取り上げられるほどに、市町村数の減少率が実に7割を超えるまでに合併が進展し、かつての12市44町14村から現在の11市9町へと再編されたことは御承知のとおりです。  この平成の大合併は、当時、地方が社会的にも経済的にも閉塞感が満ちあふれる中で、まさに地方の時代、地方分権社会の到来を告げるものとして、多くの地域住民の方々からも大きな期待を寄せられておりました。  しかしながら、その後の動きは、ここで改めて申すまでもなく、三位一体改革による地方交付税の大幅削減や各種補助金の廃止の格好のよりどころとされ、結果として、国の膨大な借金の地方への単なるつけ回しという形で自治体の行財政運営を破綻寸前にまで追い込み、そして、地方の疲弊や衰退を一気に加速させました。  私が知る限り、今の市町の現場、特に新しい市町の庁舎がある中心地域から遠く離れた末端の地域ほど、民家の空き家の増加、学校の相次ぐ統廃合や廃校など、地域社会そのものの衰退が顕著にあらわれております。  地方分権という名のもとに平成の大合併や三位一体改革が推し進められたあげくの果てがこうした地方の厳しい現状を招いたとなれば、地方にとってはまさにだまされたという不信感だけが募り、やりきれない気持ちでいっぱいになります。  もちろんこの平成の大合併はさまざまな側面があるでしょうから、場合によってはプラスに動いた地域や分野があったかもしれません。いずれにしても、平成の大合併はその後の合併特例債の打ち切りなど支援措置の縮小とともに終息し、既に7、8年の歳月が経過した今こそ、あの大合併が本県にとって、また、地域にとってどのような影響や効果、功罪があったかを自治体の行財政運営面、地域の暮らしや産業などさまざまな側面からきちっと検証すべきときに来ているのではないかと思うのであります。  この検証の必要性は、次に述べるように、平成の大合併はそれだけで自己完結するのではなく、地方分権の推進という同じ文脈で、都道府県制度、さらには国の統治機構のあり方へと連動・進展していることからこそ、より重要な意味合いを持つものであると考えます。  すなわち、1つは、広域連合の動きです。一昨年、関西広域連合が関係7府県によって設置され、既にさまざまな活動を展開しておりますほか、他地域でも構想の具体化や設立に向けた動きが活発化しております。  四国知事会においても、四国広域連合の設立に向けた検討・協議を進められているところです。  申すまでもなく、広域連合は、地方自治法に規定された特別地方公共団体であり、都道府県を超えた広域的な行政課題への対応や国の出先機関の受け皿としての役割が期待されておりますが、あくまでも現行の都道府県制度を補完するものであり、都道府県制度の廃止や国の機能・役割の改変を前提とする道州制とは性質上全く異なるわけであります。  一方の道州制についても、導入の是非をめぐる論議が一時沈静化しておりましたが、最近また活発化しております。  例えば参議院議員の江口克彦氏を会長、堺屋太一氏を名誉会長とする地域主権型道制国民協議会が組織され、また、その傘下に四国など各地方政治家連盟が次々と結成され、道州制の早期導入を目指す運動を強めております。  また、日本維新の会は、維新八策において統治機構のつくり直しを真っ先に掲げ、道州制導入を大々的に打ち出しております。  私は、かねてより、現在の余りにも中央集権的な統治機構のあり方を変えなければならない、そのためには必要な権限や財源を地方に移譲し、地方の自主自立に委ねるべきと考えておりますが、だからといって、その手法として市町村の合併から道州制へとの流れを了とする立場はとりません。  なぜ地方分権を実現するために地域とのつながりに適度の大きさを持った今の自治体の仕組みをあえて壊す必要があるのでしょうか。私には理解ができません。  受け皿を変え、大きくすることをいたずらに先行させることは、むしろ地方分権への道程をおくらせ、場合によっては逆行するものになりかねません。現に、平成の大合併によって地方分権は本当に進展したと県民は感じているのでしょうか。改めて真摯な議論、検証が必要であると考えます。  そこで、2点お伺いします。  第1に、県は、平成の大合併をどのように検証し、総括されるのか。  2点目は、昨今の道州制をめぐるさまざまな動きや議論を踏まえ、知事は道州制導入についてどのような所見をお持ちなのか、お聞かせ願います。  次に、公務員の給与カットについてお伺いします。  政府は、先月、国家公務員退職手当を約15%削減する基本方針を閣議決定しました。官民格差402万6,000円を全額解消するとして、来年1月から段階的に引き下げるというもので、これにより退職手当の平均は約2,300万円になります。400万円削減といえば、将来の生活設計に影響を及ぼしかねない額であります。  地方公務員退職手当については、国家公務員退職手当の見直しの動向に応じて、各地方公共団体において、制度の趣旨を踏まえ、国家公務員退職手当制度の改正に準じて必要な措置を講ずるよう要請されているところであります。  これを受け中村知事は、8月の定例記者会見で、追随していく方向で考えていきたいと発言されております。政府は秋には関連法案を提出したいとのことでありますが、退職金はこれまでも制度的に国と地方が連動していることから、地方公務員退職手当については引き下げやむなしと考えます。  また、政府は、国家公務員の給与について、我が国の厳しい財政状況と東日本大震災に対処する必要性に鑑み、一層の歳出削減が不可欠であるということから、本年2月、国家公務員の人件費を削減するため、給与臨時特例法が成立し、今年度から2年間、国家公務員の給与を平均7.8%削減し、年間約2,900億円の捻出財源は震災復旧・復興に充てることとされました。  ここで問題は、先日、新聞報道にもありましたが、国家公務員の特例的な給与カットに対し、地方公務員も同様の給与カットをすべきかどうかということです。  中村知事は国の主催の会議や記者会見等行政改革の現状について事あるごとに発言されておりますが、平成16年の三位一体改革における地方交付税の大幅削減を受け、地方は行政改革を断行し、47都道府県全てが独自の給与カットを実施してきました。平成11年度から23年度までの削減額は約2兆円、一方、国は独自の給与カットを一切実施しておりません。  本県では、財政構造改革基本方針に基づき、18年度から22年度までの5年間で約205億円の給与の臨時的抑制を行っております。その間、一般職が最大で8%カット、特別職の最大は、現在も継続中でありますが中村知事の25%カットであり、私ども議員も報酬10%カットを継続いたしております。  また、職員数にしても、都道府県はこの10年間で約6万人、約20%の削減に対し、国は約1万7,000人、約3%の削減にとどまっております。全国で市町村合併が進んだ結果、地方議員はこの8年間で約2万5,000人、約41%の削減に対し、国会議員は1人として減っていないのであります。県内の地方議員に至っては約700人、約58%の削減となっております。  これだけ見ても、国に比べ、地方の方がはるかに行政改革を進めており、このような中、本県職員は、モチベーションを保ちながら、愛顔あふれる愛媛県の実現に日々全力で取り組んでおります。  国が2年限定の給与カット、総額約6,000億円を削減したからといって、これと同様に県も給与カットを実施しなくてはならないのでしょうか。まずは、国会議員みずから襟を正し、歳費カット及び定数削減に取り組むべきと考えます。  そこで、お伺いします。  国家公務員の2年限定の特例的な給与カットの実施を受け、本県はどう対応しようと考えているのか、御所見をお聞かせください。  次に、地域農業の振興についてお伺いします。  我が国の農業・農村を取り巻く環境は、所得の減少や農業就業者の高齢化、担い手不足の深刻化による農村の活力低下など、非常に厳しい状況に直面しています。  とりわけ生産条件が不利な本県においては、農業就業者数が激減しており、2010年世界農林業センサスによると、毎年2,200人を超える農業就業者が離農しているのに対して、直近10年間の40歳未満の新規就農者は年間60人程度にとどまっています。  このままでは、山林が竹林化しているように、田畑も雑草に覆われ、集落の荒廃に歯どめがかからず、嫌な言葉ではありますが限界集落となり、地域の活力はさらに低下し、人心まで荒廃するのではないかと心配しています。  改めて申すまでもなく、現地の地域農業における課題を克服するためには、担い手の育成に加え、農地の集積による生産性の向上対策が必要であります。特に、米麦分野を中心とした県内の土地利用型農業の就業者は零細で高齢化しており、一部の大規模農家の育成だけでは地域の活性化や農業振興を望めないのが実態であります。  今後は、各個人の土地を個人で管理するのではなく、農地を集積し、集落営農法人などで管理する集落営農を組織化し、生産性を高め、対応する以外に方策がないのが実態であると思われます。  このため、生産者が集落を基本に将来の地域農業について徹底して話し合い、農業で十分な所得が確保できるよう農地集積を進め、担い手経営体を核に、ベテラン農家、兼業農家、定年帰農家など多様な農業就業者が力を合わせ、地域農業が成り立つ姿を提示することが急務であります。  こうした担い手の育成と農地の流動化等が、中村知事が各地で関係者に訴えているもうかる農業・利益が出る農業の基盤づくりになるものと確信しています。  現在、愛媛県がチーム愛媛として取り組んでいる県・市町連携推進プランといった縦軸の連携に加え、愛媛農業を振興する課題や役割と責任及び目標を共有している県と県域農業団体が、組織の垣根を越え、新たな横軸の連携を構築し、関係者の総合力を発揮することで、県域営農振興の司令塔として担い手の育成・農地の流動化の方策をマネジメントすることは、各市町及び各地域JAの共通課題の解決にプラス効果を発揮することが期待されます。  県では、これまでも各地域の市町、JAなど関係機関・団体とワンフロアで連携し、地域の営農振興計画に基づいた担い手の育成や農地の流動化などを一体的に行う地域農業マネージメントセンターの設置を推進し、現在、県下8カ所で設置されております。  県段階においても、各市町などの課題解決に向け、担い手の確保・育成や農地の流動化、産地づくりなど、喫緊の営農振興の課題に対応するため、地域農業マネージメントセンターのような地域の営農実態を熟知している県域の農業団体と、複雑化した農業政策を熟知している県などが、より一層、横連携した体制づくりを進め、関係機関・団体が一体となって地域農業の推進を行っていくことが効果的と考えます。  そこで、お尋ねします。  県段階において、地域農業を推進するため、農業団体と連携した体制づくりをどのように進めておられるのか、お伺いいたします。  次に、生産現場で生産者の期待に応えて頑張っている普及指導員の体制強化についてお伺いします。  本県では、地域農業の核となる担い手や産地の育成、環境と調和した農業生産、食の安全・安心確保、生産者の経営指導や販売対策、さらには六次産業化への取り組みなど、広範な対応を普及指導員が直接生産者に接して指導を行っています。このため、生産者からは、親身になって御指導いただけることから、普及指導員の信頼はとても強いものがあります。  しかし、行財政改革等により、ここ5年間で全国の普及指導員数は2割も削減され、本県においてもこの10年間で約100人減少し、平成24年度現在で166人までに減少しているのが実態であります。  現在、国を初め県において、地域農業の再生のため、課題別に多様な政策や予算が構築されていますが、農業政策については複雑で、猫の目行政とやゆされるように毎年見直しがなされ、生産者にとっては、有効な手だてを効果的に実施することが困難な状況となっているのが実態であります。  幾らすぐれた政策や補助事業であっても、生産現場で有効かつ効果的に利用されて初めて実績があらわれるのであります。多様な農政課題に対応し、有効な政策や限られた予算・補助事業を生産者により効果的にマネジメントする普及指導員の存在は、従来にも増して重要となっています。  そこで、お尋ねします。  地域農業の維持・発展を図る上で、普及指導員の役割は極めて重要と考えますが、今後、普及体制の充実・強化をどのように図るのか。また、地域と連携しながらどのような活動を展開していくのか、お聞かせください。  最後に、水産業の振興について、2点お伺いします。  まず、このたびの宇和海における甚大な赤潮被害に遭われた漁業者の方々への支援についてであります。  本年6月18日、宇和島湾及び吉田湾で発生が確認された赤潮は、三瓶湾や八幡浜市沿岸、伊方町沿岸に拡大し、7月11日には、同地域で養殖しているマダイ、ハマチなど、およそ167tにも上るへい死魚が確認されたのを皮切りに、その後、宇和海中南部にも広がり、その被害は八幡浜市、宇和島市、西予市、伊方町、愛南町の3市2町にも及びました。  被害を受けられた方々には、心からお見舞いを申し上げます。  私ども自民党県連水産振興プロジェクトチームでは、去る8月20日、中畑座長や清家幹事長など総勢10人で最も被害の大きかったうわうみ漁協、八幡浜漁協を訪問し、漁協役員や若い漁業後継者の方々から直接被害の状況をお聞きいたしました。  この中で、参加者からは、「マダイ等の価格が一時の低迷から抜け出し、ようやく一筋の光明が見えたやさき、今回のような大規模な赤潮の発生は養殖経営の根幹を覆す出来事であり、我々の力だけではどうしようもない。何とか生活が成り立つよう支援してほしい」という意見が口々に出されたところであり、本当にお気の毒で、何とかしてあげたいという気持ちでいっぱいになりました。  ようやく8月31日にプランクトンがほぼ確認されなくなったことから、赤潮終息宣言が出されたところでありますが、この2カ月余りの間で、最終的には被害は115経営体と宇和海全体398経営体の約29%にも及び、被害額12億3,000万円と、これまで最悪であった平成6年の8億400万円を超え、過去最悪の事態となったと聞いております。  県におかれては、いち早く大量のへい死魚の発生により生じた処理経費について専決予算で市町とともに支援に乗り出されたことは、まことにスピーディーな対応であり、まことにありがたいことと漁業者にかわってお礼を申し上げるところであります。  しかしながら、今、その処理が一段落し、今後、どう事業を立て直していくかを考えたときに、魚がいない、餌がない、借金を返す金がないという状況で、先ほど申し上げましたように、漁業者はまさに途方に暮れている状況であります。  県では、現在、愛媛で育った養殖魚を「愛育フィッシュ」と名づけ、首都圏を初め県内外に情報発信するとともに、中国、韓国のみならず、香港、シンガポールなど、成長著しいアジア地域へもこの養殖魚を売り出して消費の拡大を目指していこうとされておりますが、そのためにも、こうした南予の漁業者の立ち直りは不可欠と考えます。  そこで、お伺いします。  このたびの赤潮被害に遭われた漁業者の方々の事業再開に向け、県はどのような支援をするつもりなのか、お聞かせ願いたいのであります。  2点目は、本県水産業の活性化や後継者の確保に向けた技術の開発と普及についてお伺いします。  御案内のとおり、本県は全国屈指の水産県であり、魚類養殖業は全国トップの地位にあることから、県におかれては、「愛育フィッシュ」を、県内外を初め、海外に対する販売促進にも積極的に取り組まれており、心から感謝を申し上げる次第であります。  しかしながら、本県水産業が今後ともこの地位を維持し、産地としての生き残りを図っていくためには、外向きの販売も重要ではありますが、ものづくりの観点からいえば、地元にしっかりとした生産技術が根づき、漁業者が日々その技術を高めるとともに、次の世代に確実に受け継いでいくことが重要であり、それによってこそ消費者ニーズや時代の要請にマッチした商品開発が可能となり、本県水産業をさらに魅力あるものにしていくことができると思うのであります。  幸い本県では、水産研究センターが新魚種の種苗生産技術や養殖技術の開発を行っており、新しく開発された技術については、水産研究センターと普及指導員が一体となって、県が養成した認定漁業士などの後継者を中心に、普及に取り組んでいると伺っております。  水産業においても、生産から加工品の開発・販売まで手がける六次産業化の動きが広がっており、このような取り組みを支えていくためには、県の普及指導員による献身的な活動が不可欠だと思うのであります。  そこで、お伺いいたします。  県におかれては、今後、本県水産業の活性化や後継者の確保を図るため、どのような技術を開発していくのか。また、普及体制の充実を含め、普及指導員の活動をどのように展開していくのか、お聞かせください。  以上で私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○(岡田志朗議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(岡田志朗議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 赤松議員に、まず、日本維新の会の打ち出した維新八策についてお答えをさせていただきたいと思います。  国政が決定力を欠き、地方分権改革など山積する政治課題の解決に向けた具体的な取り組みが一向に進展しない中、維新八策は、橋下大阪市長を初め、強い危機感を持った方々が、地方から既存の政治の仕組みを変えていこうとの強い決意のもと、知恵を結集して練り上げた非常に大胆かつ思い切った内容になっておると思います。  特に、衆議院議員の定数や歳費を大幅に削減するといった内容については、国民に負担を求める前に国会議員みずからが身を切る改革を行うべきという従来から申し上げている私の主張と通じるところであり、その趣旨には大いに賛同しています。  一方で、こうした提案に対し現職から、そんなことはできるはずがないというふうな声が上がっていますけれども、ちょっと待っていただきたいなというのが率直な感想であります。繰り返し申し上げてきましたように、これは別にいきなり240ということではないということでありました。新聞等々でつぶさに拝見しましたけれども、要は地方分権を進めて国と地方の役割分担を明確にすれば、当然、国の仕事は激減するわけでありますから、集中した分野への仕事ということになって、当然それぐらいの人数でも十分やっていけるという前提での打ち出しであるということであります。  一方、主要政党は、大幅削減は前回の選挙で公約に掲げているわけでありますけれども、そのことを決して忘れていただきたくないし、今の時点で、赤松議員おっしゃるように、何もしていないということも決して忘れていただきたくないなというふうに思います。  また、TPPの問題、これについても、私も最初拝見したときにどういう考えなのかわからないところがあったので、これも新聞等々で拝見をいたしました。ここは議論の分かれるところだと思うんですけれども、今、農業関係の団体の皆さんは、参加反対というふうなことで一致結束した運動を起こされています。それはそれで立場としての理解はできるわけでありますけれども、参加イコール農業を無視するということではないというふうな内容になっていました。  要は、参加をしないと、後々参加させられるときになった場合に、日本抜きで交渉が進められて不利な条件が整えられてしまうので、参加をして、言うべきことは言う、そして、国益に反するようであれば脱会も辞さないというふうな意味での参加ということだそうなので、この点は少し分析をする必要があるのかなというふうに思います。  なぜならば、今、確かに農業団体の主張に対して、多くの国会議員が鉢巻きを締めて「TPP参加阻止をします」と声高に叫んでいる方々も大勢いらっしゃいますけれども、僕はかつての光景を思い出すんですが、かつて私が県会議員になったころに、同じようにオレンジの自由化で農業の問題がクローズアップされました。当時も、鉢巻きを締めて、「自由化は政治生命をかけて阻止する」という勇ましい声はあちこちで聞こえてきたわけでありますが、それは期待に反した形で自由化になり、そして、誰も政治生命はかけなかったという実績だけが残りました。  郵政民営化も同じであります。どれだけの国会議員が「郵政の民営化には政治生命をかけて反対する」と叫んだことか。しかし、なった後に責任をとった人はいなかったわけであります。  ですから、ある意味では、今の目先の言葉ではなく、その趣旨というものを冷静に受けとめて、どちらがいいのかということは冷静に見詰める必要があるのではないかなということで、このTPPの主張というものを拝見させていただきました。  また、首相公選制や「道州制が最終形」など、現時点では国民の間で意見が大きく分かれる可能性のある項目も含まれていますけれども、これは一つの問題提起としては意義のあることではなかろうかというふうに思います。  この維新八策については、抽象的であるとか、数値目標がないなどの批判がありますけれども、マニフェストとはちょっと違うのかなと。長期的な目標を示す綱領でありますから、マニフェストというふうなものの物差しで見詰めるというのは無理があるのではないかなというふうにも思います。  今後、日本維新の会においては、国会議員を交えて国民的な議論を積み重ね、具体化に向けて課題等を解決していくのではなかろうかと想像します。  いずれにしましても、この維新八策に対する評価は、選挙を通じて有権者により行われるべきで、今後、日本維新の会においては、国民に対して丁寧にわかりやすく、今言ったようなことも含めて説明されていくことが求められているのではないかな、その動向を注視してまいりたいと思います。  明治維新は、約300年続いた鎖国政策から国際社会の一員として一歩を踏み出す一大転換期ではなかったかなと思います。その主役となったのは、長年の体制にあぐらをかき、既得権益を抱えて機動力を失った幕府政治をよしとせず、国の未来を真剣に憂い、摩擦や犠牲を恐れずに立ち上がった地方の、そして、名もなき若者たちの決起ではなかったかなと思います。  今の日本も、統治機構を根本から見詰め直す一大転換期を迎えているものと思います。歴史は繰り返すのかどうかはわかりません。ただこうした転換期というふうなことに我々は身を置いているわけでありますから、明治維新の歴史と重ね合わせて、今後の動向というものに期待をしていきたいというふうに思います。  次に、平成の大合併についてでございますけれども、人口減少や少子高齢化の進行など、社会経済状況が急激に変化する中にあって、基礎自治体が行財政基盤を強化し、住民サービスを維持するための手段として、市町村合併は、避けて通れない、やむを得ざる選択であったと認識しています。  本県においても、加戸前知事の強いリーダーシップのもと、各市町村の首長、議員、そして住民が、合併の必要性を理解され、地域の将来を真剣に考えられた結果、70市町村が24市町に再編されましたが、合併を機に特別職が78%、議員定数が59%削減されるなど、赤松議員もおっしゃるように、身近なところでもみずから身を切る改革に着手した非常に厳しい内容となりました。  合併の検証については、平成21年の段階で合併市町の意見をもとに取りまとめた「愛媛県における平成の市町村合併の検証」によれば、合併により、旧市町村の境界を越えた施策を展開し、新市一体となったまちづくりを推進できたなどのプラスの声がある反面、少子高齢化や過疎化の急速な進展と相まって、特に、合併によって周辺部となった地域が寂れたとのマイナスの声もあり、解決すべき課題も多いとされています。  議員御提案のさらなる検証については、現在、御承知のとおり、合併特例債の活用期限が5年間延長されました。これに伴って、多くの市町で市町村建設計画を変更する動きが出てきておりますことから、こうした動向を見きわめながら、合併の全体的な効果があらわれるとされる10年程度の期間を1つの区切りとして、検討してまいりたいと思います。
     県としては、継続的に合併後の市町の現状や課題について適切に把握するほか、市町村建設計画の変更について助言するなど、フォローアップをしっかり行うとともに、合併後の自治体運営の実情を踏まえた地方交付税の適切な算定など、合併市町に対する財政支援の充実・確保について、国に対し強く要請してまいりたいと思います。  その他の問題につきましては、関係理事者の方からお答えさせていただきますので、よろしくお願いいたします。 ○(上甲啓二副知事) 議長 ○(岡田志朗議長) 上甲副知事   〔上甲啓二副知事登壇〕 ○(上甲啓二副知事) 赤潮被害に遭った漁業者の事業再開支援についてお答えいたします。  養殖業は、南予地域の活性化に欠かすことのできない基幹的な産業でありまして、漁業者が赤潮被害を克服し、一日でも早く事業を再開し、軌道に乗せるためには、新たな種苗や餌代の調達、運転資金の確保、償還期限の迫った借入金の返済などに対する金融面での支援が重要であると認識しております。  このため、県では、種苗や餌代の調達に要する資金について、既存の漁業近代化資金の活用促進を図りますとともに、新たに今回の9月補正予算で、関係市町や県信用漁業協同組合連合会と連携して、末端金利ゼロの資材や燃料などに幅広く利用できる運転資金、赤潮対策緊急支援資金を5億円規模で創設したところでございます。  また、既存の借入金についても、県信漁連と協調して、償還期限の延長や据え置き期間の見直しなど、償還条件の緩和に柔軟に対応することとしております。  さらに、再び赤潮によって大きな損失をこうむることのないよう、国に対して、経済的支援を初め、養殖共済への加入促進に向けた制度の改善や、赤潮に関する試験研究の充実などを強く要望しているところでありまして、補正予算編成など今後の国の動向も踏まえながら、愛媛で愛情を込めて育てた「愛育フィッシュ」を大もとで支えていただいている生産者を可能な限り支援し、本県養殖業の維持・発展に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(長谷川淳二副知事) 議長 ○(岡田志朗議長) 長谷川副知事   〔長谷川淳二副知事登壇〕 ○(長谷川淳二副知事) まず、地方自治のあり方についてのうち、道州制導入についてのお尋ねでございますが、最近、道州制を進めるべきという議論が再びなされているところでございますが、これまでの議論は、どちらかといえば国主体の道州制ありきのものでありましたことから、赤松議員御指摘のとおり、三位一体改革と同様に地方切り捨てにつながるのではないかとの懸念がありましたことは十分承知しております。あるべき国と地方の姿を地方の側から提言していくことが不可欠であると考えております。  道州制を含む広域自治体のあり方について議論する上で何よりも重要なことは、これまでも申し上げておりますとおり、中央集権型から地方分権型へと統治機構を抜本的に見直すことでありまして、その道筋としましては、まずは、国と地方の役割分担を明確化し、国は外交や防衛など国家の存立にかかわる事項に専念し、それ以外の権限と財源は地方へ移譲する。次に、住民自治の具現化を図る観点から、住民に最も身近な基礎自治体の機能を強化する。その上で、広域自治体の形として、現在の県がよいのか、広域連合がよいのか、あるいは道州制がよいのかを見きわめるべきと考えておりまして、あるべき道筋に沿った本質的な議論が進められるべきと考えております。  県といたしましては、最近の道州制をめぐる議論を踏まえ、市町や学識経験者の意見なども参考に、道州制を含むさまざまな広域自治体の論点整理を行うなど、本県にとって望ましい広域自治体のあり方について研究をし、今後の議論に的確に対応してまいりたいと考えております。  続きまして、国家公務員の特例的な給与カットに対する本県の対応についてのお尋ねでございますが、本県では、赤松議員御指摘のとおり、三位一体改革による地方交付税の大幅な削減により極めて厳しい財政状況に陥りましたことから、平成18年度以降、現在も、知事の25%、議員各位の10%カットを初め、給与の臨時的削減措置を実施しておりますほか、定員適正化計画を策定し、一般行政部門の職員について、平成8年度から平成24年度までの間に20.2%に当たる961人の削減を実施するなど、国に先んじて行政改革に取り組んでいるところであります。  加えまして、東日本大震災に対しましては、発災直後から、県・市町が一体となったチーム愛媛による人的・物的両面からの支援を行いますとともに、今年度は、本格的な復興に向けまして、被災した3県に対し延べ44人の県職員を長期派遣するなど、可能な限りの支援を行っているところであります。  特に、給与につきましては、地方は全ての都道府県において独自のカットに取り組み、平成11年度から平成23年度までの削減額の累計は既に約2兆円に達しているのに対しまして、この間、国は職員給与カットを全く実施しておらず、今回、国が厳しい財政状況や東日本大震災の対応を理由といたしまして初めて2年間限定の給与カットを実施しているからといいまして、現時点で同様の対応をとることは考えていないところであります。  こうした地方の主張に対しまして、川端総務大臣は理解を示されておりますが、一部報道によりますと、財務省は地方に対して国家公務員と同様の給与削減を求めるとされております。  こうした動きに対しましては、今ほど申し上げましたとおり、地方は国に先行して大幅な給与カットを実施しており、今回の国の給与カットはいわば地方の後追いにすぎないものであることを繰り返し主張し、国に対して、地方交付税や義務教育費国庫負担金の削減により地方に給与削減を強制することは決してあってはならないことを、全国知事会等を通じて引き続き強く訴えてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(高木健次農林水産部長) 議長 ○(岡田志朗議長) 高木農林水産部長   〔高木健次農林水産部長登壇〕 ○(高木健次農林水産部長) 3点お答えをさせていただきます。  まず、地域農業の振興についてのうち、農業団体と連携した体制づくりについて御質問がございました。  担い手の減少や耕作放棄地の増加など、地域農業を取り巻く環境が厳しさを増す中で、農業団体と行政が一体となった体制を整備することは、人や農地はもとより、生産・販売など、農業の各般にわたり、地域の実情に応じた一元的できめ細かな支援や事業展開を図る上で大変有効であると考えております。  このため、県では、赤松議員お話のように、おおむね市町単位で地域農業マネージメントセンターの設置を進めており、既に県下8カ所で設置され、農業振興計画の策定や就農希望者への窓口相談、集落営農の推進等に取り組んでいるところでございます。  また、県レベルにおきましては、本年5月、県と農業関係8団体が連携をいたしまして、新たに愛媛県農業再生協議会を設置し、地域農業マネージメントセンターの活動支援を初め、人・農地プランの作成に向けた指導チームの現場派遣や合同研修会の開催、農業者戸別所得補償制度の普及啓発などの業務を行っているところでございます。  今後とも、県農業再生協議会を核といたしまして、一層の連携強化を図りながら、集落営農体制の整備や担い手への農地集積、耕作放棄地の解消等への支援にも取り組み、地域からのさまざまなニーズに応えられる体制の充実に努めてまいりたいと考えております。  次に、普及体制の充実・強化及び地域と連携した活動についての御質問がございました。  普及指導員は、生産現場において直接農家と膝を交えながら、地域課題に向かい合い、担い手の確保や産地の育成、集落営農の推進など、地域農業の振興を図る上で重要な役割を果たしており、その期待も高まっていると認識いたしております。  このため、県におきましては、何よりも現場を重視し、普及指導員が地域に密着した活動が展開できるよう、適材適所を基本に限られた人員の適正配置に努めますとともに、果樹や野菜といった専門分野を総括する農業革新支援専門員を今年度から新たに配置いたしまして、高度な支援要請にも対応するなど、農家へのサポート体制を強化してきたところでございます。  また、緊急かつ重要な課題であります鳥獣害対策や人・農地プランの作成、六次産業化の促進などにつきましても、普及指導員ならではの機動力を生かしまして、現場におけるきめ細かな支援に積極的に取り組んでおります。  今後とも、地域農業の一層の活性化のため、普及指導員の資質向上や、市町・JAとさらなる連携強化を図り、地域ニーズに的確に対応できる体制整備に努めてまいりたいと考えております。  最後に、水産業の振興についてのうち、技術開発についてお尋ねがございました。  厳しい状況にあります本県水産業を活性化し、力強い産業に転換させるためには、意欲ある若い漁業者が水産研究センター等で開発した革新的な技術を導入するとともに、漁業者みずからが生産から加工・販売に至る六次産業化に取り組むことにより、漁業経営の改善を図ることが重要であると考えております。  このため、県では、市場価格の高いマハタ、クエに加えまして、ウマヅラハギ、メバルなどの大量生産技術や、ヒジキの養殖技術の開発のほか、養殖魚種として有望なマグロの人工飼料の研究などを進めますとともに、今年度からは、県単独事業として地域水産物6次産業化推進事業を創設いたしまして、地域水産物の直接販売や加工品の開発などの新たな取り組みを支援しているところでございます。  また、開発した技術の生産現場への普及に当たりましては、水産業普及指導員の役割が重要であるため、今年度から新たに、水産研究センターに、六次産業化に向けた新しい生産・販売手法の導入など先進的な取り組みを行う漁業者への支援機能と、国・大学等の研究機関や行政機関との調整機能を持たせまして、普及指導体制の強化を図ったところでありまして、今後とも積極的な普及活動を通じまして、本県水産業の振興と後継者の育成・確保に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(岡田志朗議長) 暫時休憩いたします。      午前10時53分 休憩   ―――――――――――――――――      午前11時10分 再開 ○(岡田志朗議長) 再開いたします。  質疑を続けます。 ○(逢坂節子議員) 議長 ○(岡田志朗議長) 逢坂節子議員   〔逢坂節子議員登壇〕 ○(逢坂節子議員) (拍手)おはようございます。  社民党の逢坂でございます。  ただいまより質問をいたします。  最初に、平和行政について質問をいたします。  平和な社会をつくり、それを未来に伝えていくことは、人類共通の願いです。戦後67年目を迎え、戦争を体験された方々も高齢化しています。戦争の事実を記憶し、平和をとうとぶ心を育み、次世代に伝える教育、行政を行うことは、ますます必要になってきていると考えます。  ことしも、8月6日、広島、9日、長崎において、被爆67周年原水爆禁止世界大会が開催されました。人類史上初の核兵器の使用であった広島、長崎への原子爆弾投下によって、2つのまちは壊滅し、破壊された建物の下で何万人もの市民が炎に焼かれ、一瞬にして地獄の世界をつくり、そこから、核時代という不幸な時代となったのであります。  そしてまた、新たに福島で核被害が進行しています。  毎年この暑い夏を迎えると、広島、長崎に思いを寄せ、そしてその都度、平和を祈り、平和を誓い、心の底から平和を願って暮らしているのは私一人ではないと思われます。  知事は、平成21年2月、松山市長時代、平和市長会議に加盟されています。平和市長会議は、核兵器のない世界実現への取り組みや、環境破壊、飢餓、貧困、暴力等、人類の共存を脅かす問題の解決を図り、世界平和の実現を目指す世界の都市が国境を越えて連帯するNGOです。  その当時、131の国と地域の2,410都市が賛同、加盟していました。県内では、伊予市、四国中央市、宇和島市、新居浜市の4市が加盟していましたが、私はその当時、知事の平和に対する強い思いを感じ、心からうれしく思った次第であります。  そこで、最初の質問をいたします。  知事の平和への思いはどうなのか。また、平和行政をどのように推進されるのか、基本的な考え方をお聞かせください。  質問の2点目は、非核法の法制化についてであります。  日本は、非核三原則「核兵器を持たず、つくらず、持ち込ませず」、それを国是としています。  しかし、世界では今も約1万9,000発余りの核兵器の存在の中で、核と戦争の脅威から解放されず、私たちの強い願いである核軍縮は進まず、核保有国の5カ国に加え、インド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮、イランの核開発疑惑などへ拡散しています。  さらに、政府は、昨年12月、武器輸出三原則の緩和を発表いたしました。このことは、三原則を歯どめなく緩め、私たちから平和な暮らしを取り去ろうとする、そして、平和国家の看板をおろすという暴挙と言っても過言ではありません。  そこで、質問をいたします。  日本は、非核三原則を国是としていますが、この非核三原則を法的拘束力のあるものとするために、国に対し非核法の法制化を求める提言をしてはどうかと思いますが、考え方をお示しください。  質問の3点目は、平和教育の推進についてであります。  広島、長崎で起きた事実を学び、知り、考え、そして、そのことをたくさんの人に伝えることから始め、次の世代の人たちにその心を伝えていくことは、学校教育にも必要であります。さらに、被爆国日本の国民として、広島、長崎で起こった事実に学び、平和をとうとぶ心を育むことも重要であると考えます。  県内の小学校では、県全体の約75.5%、241校の小学校が修学旅行で広島を訪れると聞いています。修学旅行に合わせて、原爆投下で起こった事実を学ぶ平和教育を充実させていくことも大変重要でございます。  そこで、お尋ねをいたします。  中学校の修学旅行は阪神方面が多いと聞いていますが、中学校の修学旅行の行き先について、長崎を含めた九州方面に変更することを各市町教育委員会へ提案してはどうかと思いますが、いかがでしょうか。  私は、昨年6月議会において、男女共同参画に対する質問をいたしました。今回は、女性に対する人権侵害に視点を置き、質問をいたします。  まず最初の質問は、生涯を通じた女性の健康支援についてであります。  女性は、乳幼児期、思春期、妊娠、出産期、更年期、高齢期等、人生の各段階に応じて健康上の問題に直面しています。  特に、女性特有の病気である乳がんと子宮がんは死亡率が高く、2009年の乳がんによる死亡率は、女性人口10万人当たり全国平均18.5人に対し本県は19.9人、子宮がんによる死亡率は、全国平均8.6人に対し本県は9.6人と高い値を示しています。  いずれの病気も早期発見が重要であると言われているため、定期検診受診とそれを支援する体制が大変重要であると思われますが、乳がんや子宮がん検診を今後どのように推進していくのか、お聞かせください。  質問の2点目は、女性の視点を生かした防災対策の必要性と、都道府県が災害対策基本法に基づいて設置する地方防災会議の女性委員の登用について質問いたします。  男女が互いに身体的性差を十分に理解し合い、人権を尊重しつつ、相手に対する思いやりを持って生きていくために、心身ともにその健康について正確な知識情報を入手し、主体的に行動してほしいものであり、それが最も重要なことであると考えています。  国においては、このたび2012年度男女共同参画社会形成のための促進施策を発表し、それと同時に、男女共同参画白書を発表いたしました。その中には、第15章に「地域、防災・環境・その他の分野における男女共同参画の推進」とあります。  そのうち私が特に重視しているのは、東日本大震災における生活再建や2012年まちづくりを初めとする復興等、災害対応の状況に応じて、女性の参画を含め、男女共同参画の視点を踏まえた取り組みについてであります。  2012年度版男女共同参画白書によりますと、地方防災会議の女性委員の割合は、ことし4月現在で4.5%にとどまり、愛媛や東京など6都県はゼロであります。  東日本大震災を踏まえ、女性の視点を生かした災害対応の必要性は大変重要であると思います。しかし、47都道府県の防災会議委員総数2,486人のうちで女性は113人であり、女性の割合が最も高かったのは徳島県で18.9%となっています。  県の防災会議は、行政や警察のほか、通信、物流、公共インフラ関係企業の代表など44人で構成されていると聞きますが、女性の視点を生かした防災対策にどう取り組むのか。また、防災会議への女性委員の登用にどのように取り組まれるのか、お聞かせください。  最後の質問は、女性に対する暴力の根絶についてであります。  国の調査によりますと、2011年度に全国の配偶者暴力相談支援センターへ寄せられた相談は8万2,099件で、記録を取り始めた2002年度に比べ、倍以上に増加しているという結果が出ています。  厚生労働省は、ことし8月から、配偶者等の暴力から逃れて子育てしている親への児童扶養手当の支給要件を緩和していますが、これは、DVが増加していることから、被害者の子育てを金銭面で支援しようとするものであります。  そこで、質問をいたします。  県においては、配偶者暴力相談支援センターへの相談件数を把握するとともに、男女間における暴力の実態を定期的・継続的に調査することや、教育・啓発活動などの対策を講じる必要があると思います。  女性に対する暴力のない社会を構築するために、今後、どのように取り組んでいくのか、基本的な考え方をお聞かせください。  また、先般、県警の発表によりますと、DV・ストーカーによる犯罪の未然防止のためのプロジェクトチームが発足したと聞き及んでいますが、今後、行政との連携を含め、DV・ストーカーの対策をどのように推進していくのか、お聞かせください。  次に、原発問題について質問いたします。  7月16日、炎天下の東京代々木公園に全国から17万人もの人が集まり、「さようなら原発10万人集会」が開かれました。私も愛媛の仲間とともに参加したのですが、通路を含め、公園内外は人でごった返し、大江健三郎さんや落合恵子さん、坂本龍一さんなど呼びかけ人が次々とスピーチしたステージには近寄ることもできないほどでした。  政党や団体の旗だけではなく、思い思いのメッセージを書いたプラカードやうちわを持った、この種の集会ではふだんお見かけしないような高齢者、ベビーカーを引いた若い夫婦なども多く参加されており、安全性の切り捨てと言わざるを得ない大飯原発再起動への怒り、原発は要らないという強い思いを共有することができました。  毎週金曜日の総理官邸前でのデモも、継続的に多様な人々が参加し、意思表示が続けられており、今や脱原発の声は大きなうねりとなっています。  こうした背景には、福島原発事故を経験し、それまで植えつけられてきた原発の安全神話が崩壊し、原発は本当に安全なのかという住民の素朴な疑問があると考えられます。  また、この問題は、我が党の代表質問で村上議員が取り上げたオスプレイの安全性への疑問に重なり合うものがあります。あるいは、経済的動機より、住民の命、それも現在を生きる私たちだけでなく、未来の世代の命を守るのが大切ではないかという国民の自然な意思のあらわれではないかとも思います。  大飯原発3号機が再起動された後の7月5日、福島原発事故に関し、国会が設置した事故調査委員会が報告書を公表しました。
     憲政史上初のこの国会事故調は、半年余りという大変短い時間と原子炉格納容器内部の現場検証ができないなどの限られた条件の中、政府や東電、県や住民などからの調査に基づき、事故の根源的な原因を、規制する側の歴代の規制当局と、そして、規制される側の東京電力の立場が逆転関係にあり、規制当局が本来担うべき安全性の監視・監督機能がなくなっていた点に求め、今回の事故は自然災害ではなく、両者が意図的な先送り、不作為、自己の組織に都合のよい判断を行うことで、とるべき対策をとらず発生した人災であると明言しています。  また、地震による損傷が事故の原因になった可能性も否定せず、今後の原発の再起動問題に大きく影響を与える視点も含まれていると考えます。  今回の調査結果を踏まえ、報告書では、規制当局に対する国会の監視、政府の危機管理体制の見直し、被災住民に対する政府の対応、電気事業者の監視、新しい規制組織の要件、原子力法規制の見直し、独立調査委員会の活用といった7つの提言を発表しています。  加えて、報告書では、事故発生時の県の対応、住民の側から見た避難指示の問題点も検証され、原発立地県である本県も大いに学ぶべきものがあると考えます。  そこで、質問をいたします。  国会の福島原発事故調査委員会の報告に対する見解はどうか。また、何か学ぶべきものがあるのか、お示しください。  次に、エネルギー問題に関連して質問いたします。  ことし7月に私が視察に訪れました東京都世田谷区では、「エネルギーをたくみに使うまち世田谷推進プロジェクト2012」を展開し、再生可能エネルギーの活用を促進し、地域経済の活性化につなぐ仕組みを模索しています。  お伺いしたところによりますと、世田谷区は、区民、事業者、金融機関、大学などと連携し、世田谷区自然エネルギー活用促進地域フォーラムを発足させ、省エネルギー行動や再生可能エネルギーの活用促進を図る取り組みなどについて、情報共有、協力体制の構築及び省エネルギー行動の推進や再生可能エネルギー利用促進のためのアイデアを議論し、成果の周知を含めたPRを区民に対し行っています。  世田谷区では、これまで太陽光発電の普及・拡大に向けて補助金を支給することで後押しをしてきましたが、区内の一戸建て住宅に相当量設置するには限界がある中、太陽光発電普及の取り組みとして、フォーラムの議論から、「せたがやソーラーさんさん事業」が7月にスタートしました。  この事業では、世田谷区の外郭団体である株式会社世田谷サービス公社が約1,000戸の太陽光発電システムをメーカーから一括購入し、一般家庭に提供するもので、スケールメリットによりコストを低減化、金融機関と協働し融資制度をつくり、国や都の補助金制度の申請も代行している仕組みとなっています。  余剰電力の売却を組み合わせれば、区民にとっては、ローンを組んでも10年以内に費用を回収でき、安全・安心に太陽光発電システムを導入しやすい仕組みとなっています。  そこで、お尋ねいたします。  このような官民共同での再生可能エネルギーの利用促進に向け、どのように取り組むのか、県としての御所見をお示しください。  世田谷区のような官民共同の取り組みは、地域経済活性化の起爆剤となる可能性を秘めています。  例えば、世界的には巨大な産業に成長している浮体式の洋上風力発電設備の製造は、部品点数が多岐に及び、自動車産業に次いで裾野が広い産業とも言われています。  実用化の研究を進めている九州大学の大屋裕二教授は、こうした設備の実用化のためには、カーボンファイバーや造船の技術が重要であると指摘しています。ともに県内で発達している産業でもあり、部品のサイズが大きく、組み立てが自動化できないため、高度な技術力、労働集約的な組み立て工程も必要となるため、多くの雇用も見込まれます。  本県では、知事のアイデアで愛媛ものづくり企業「すご技」データベースがつくられ、県内企業や産業集積のPR、販路の拡大、異業種間のマッチングに活用されています。県が持つノウハウの提供や公的支援の紹介など調整役を務めながら、意欲のあるNPOなどとも協働し、官民共同で知恵を出し合うような仕組みづくりを行うことにより、再生可能エネルギー導入促進や地元資源を活用した再生可能エネルギー関連産業の活性化など、地域経済の活性化にもつながるのではないかと思います。  そこで、お尋ねいたします。  官民共同による新規産業の育成や雇用創出にどのように取り組んでいくのか、県としての御所見をお示しください。  さて、ことしの夏、伊方原発が再起動しなくても四国の電力は不足することはありませんでした。7月2日から9月7日までの節電期間中の四国電力管内の節電効果は、猛暑であった一昨年の最大電力需要の平均値と比較した場合、気温影響を控除した補正値で44万kW、8.3%と試算され、また、電力使用率で見ると、最も高くなった7月17、18、27日が89%を記録したものの、電力需給がやや厳しいとされた90%を超える日は一日もありませんでした。  私は、2月議会の代表質問において、節電の取り組みの重要性について質問させていただきました。県も、国の需給対策を受け、5月に停電による影響及び対応調査を行うとともに、今夏の節電の呼びかけを行ってきました。県民・県・市町・経済団体・企業等がそろって節電対策に取り組み、ことしの夏はしっかりとした効果が出たものと考えています。  この効果を分析し、今回の取り組みを周知・啓発することにより、さらなる節電対策を図るべきと考えます。  そこで、質問をいたします。  節電目標を伴う節電期間が今月7日に終了しましたが、節電対策の取り組みの成果をどう受けとめているのか。また、今後、どのように取り組むのか、お聞かせください。  最後に、学校におけるいじめ問題について質問いたします。  この世に生を受け育つ全ての子供が生まれてよかったと心から思える、そんな子供に優しい社会、まちをつくることが、私たち大人の役割であると思っています。  大津市で、いじめを苦に中学2年生の男子生徒がみずから命を絶つという大変悲しい出来事がありました。学校や市教育委員会のずさんな対応が明らかになって以降、深刻ないじめの実態が全国で次々と発覚しております。  子供が通う学校が安全・安心であることは当然のことで、誰もがそれを信じています。  文部科学省が今月11日に発表した2011年度問題行動調査によりますと、県内公立小中学校・高校でのいじめの認知件数は727件と前年度より30件ふえ、5年ぶりに増加に転じたと聞き及んでおり、県内の学校でも多くのいじめがあることは事実であります。  問題の重大性を認識し、いじめの兆候をいち早く把握して迅速に対応すること、早期発見、早期対応に向けたさまざまな取り組みを組織的、計画的に推進されることを期待するものであります。  そこで、質問をいたします。  質問の1つ目は、教育委員の役割とその責務についてであります。  大津市立中学校でいじめを受けた男子生徒が自殺した問題で、責任者である教育委員の姿が見えない、深刻ないじめ情報を得ていながら公表せず、調査も尽くされなかったと批判が集まっているにもかかわらず、定例会議での発言もなく、多忙を理由に会見もなしと、全国の首長から教育委員会制度そのものを疑問視する声が相次ぐ事態にまで発展しています。  教育委員会制度は、政治と教育が一体化して戦争へ突き進んだ戦前の反省から、教育の政治的中立を目指し、首長が直接かじをとらない制度としてつくられてから、半世紀以上がたっています。  昨年度の文部科学省の調査によりますと、教育委員会の会議は、都道府県及び政令指定都市で平均月2回程度しか開かれず、委員からの提案で議題を設定したと回答したのは約1割との調査結果が出ています。  学校は、問題が起きると内輪の論理で処理をしがちであります。そのため、教育委員を非常勤とし、ほかの仕事を持つ人が市民感覚で指揮監督することを重視すべきと私は思っています。  しかし、教育委員会がうまく機能するためには、事務局が重要な情報を伝えることが必要であり、問題なのは、事務局主導が常態化し、教育委員会が追認機関になっている事態が問題ではないかと思いますが、本県の教育委員の役割とその責務についてお聞かせください。  また、教育委員会は、時の政治権力者の意向に左右されては決してならず、地域の教育に市民として責任を持つという本来の役割を果たせるよう、問題が起きたらすぐ集まって対策を主導するなど、運用も見直してはと思いますが、いかがでしょうか。  質問の2点目は、いじめ対策についてであります。  全国で相次ぐいじめ問題の解決のため、文部科学省は、今月5日、現教育現場の支援を強めるため、専門家の組織を全国で200地域に設置することを柱とする総合的ないじめ対策を発表いたしました。  大津市の事件を受け、国が受け身の対応だった反省を踏まえ、積極的な役割を果たすと強調し、来年度予算の概算要求に本年度より約27億円増の総額約73億円を盛り込む考えで、子供の命にかかわる問題は地域全体で一丸となることが大事であり、国は前に出て取り組む使命と責任があると述べています。  また、いじめの問題に精通する弁護士や元警察官、そして外部人材を活用し、学校をサポートするいじめ問題支援チームや当事者の相談を受ける第三者機関を各自治体が設置することとし、その関連費用は国が全額負担をする構想を打ち出しました。  そこで、質問をいたします。  国のいじめ問題への対応強化をどのように受けとめ、今後、本県におけるいじめ対策にどのように取り組むのか、基本的な考え方をお聞かせください。  次の質問は、教員の防災士資格の取得について質問いたします。  東日本大震災では、釜石の奇跡に代表されるように、防災意識の高さから児童・生徒が率先して避難し、多くの命が救われた事例がある一方、最後まで校舎に残り続けた児童・生徒と教職員が津波に流され、とうとい命が犠牲となった大変悲しい事例もあることから、今後、教育現場における防災対策が大きな課題となっています。  こうした中、松山市においては、災害時に児童生徒を守ろうと、防災士の資格を持つ教職員を全84市立小中学校に置くための養成講座を今年度から3年間実施することにしており、今年度は8月に実施したところであります。全市立小中学校に防災士を配置するのは全国初ということであります。  防災士とは、防災対策や災害発生時の応急対応、救急救命講習などの研修を経て、資格試験に合格後、防災士に登録される制度であります。  今後、松山市は、各学校に防災士を置き、学校の防災計画の見直しやほかの教職員への指導、そして、災害発生時の避難誘導や避難所運営などに当たり、被害の軽減を目指す方針であると聞き及んでいます。  そこで、質問をいたします。  県教育委員会として、小中学校の教職員に防災士資格の取得を積極的に進めてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。  私の質問は以上で終わりますが、最後に、私、一言、皆様方に述べさせていただきたいことがございます。  いじめは、児童生徒の人格を著しく損なう差別であります。人の命にかかわる重大な人権侵害であるとも思います。  命はかけがえのない大切なものであり、自己の命のかけがえのなさに気づき、今を生きていることのありがたさに思いを寄せ、子供たちが自然に互いにそう思える社会であってほしい、そのような社会を願いつつ、質問を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○(岡田志朗議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(岡田志朗議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 逢坂議員に、まず、平和行政についてどのように推進するのかについてお答えをさせていただきます。  昭和63年の3月に県議会で議決をされました非核平和県宣言では、県民の総意として世界の恒久平和の実現がうたわれています。  私は、我が国の今日の平和と繁栄が戦争によって心ならずも命を落とされた方々のとうとい犠牲の上に築かれていること、そして、唯一の戦争被爆国として核兵器の惨禍を体験したことを決して忘れてはならず、かけがえのない平和を希求することは、今を生きる我々にとって責務であると考えています。  そのような思いから、お話のあった平和市長会議へ当時の松山市長として加盟したところでありますが、ことし4月に内子町が加盟されまして、これで県内全ての市町が参加したこととなり、全国の加入率約7割を大きく上回り、それぞれの市町で平和に関するパネル展や講演会の開催などに取り組まれていることは大変心強く感じています。  また、逢坂議員自身も「反核・平和の火リレー」などに御尽力されていますが、恒久平和を実現していくためには、県民一人一人がそれぞれの立場で考え、行動していくことが望ましい姿であると考えており、県内の市町等とも連携しながら、平和を願う機運の醸成に努めてまいりたいと思います。  次に、再生可能エネルギーについて、新規産業の育成や雇用創出にどのように取り組むのかについてでありますが、再生可能エネルギーについては、現在の技術水準では代替エネルギーとして過度の期待はできませんが、その関連産業は中長期的な視点から地域経済の活性化や新たな雇用の創出に大きな効果が期待できることから、県では、民間企業等が持つ固有の資源や技術・ノウハウを活用した新規ビジネスの創出・育成に積極的に取り組んでいるところであります。  具体的には、えひめ飲料との共同によるミカン搾汁残渣を原料としたバイオエタノールの用途拡大など、本県特有の資源を活用したバイオマスエネルギーの活用促進に取り組むほか、東レ愛媛工場や愛媛大学と連携し、省エネやエネルギー関連産業での活用が期待される炭素繊維の加工事業に取り組む企業の集積を進めているところでございます。  また、えひめ産業振興財団を通して、東温市における国内クレジットを活用したCO2削減プロジェクト等の取り組みを支援するとともに、本年7月からスタートした国の固定価格買取制度を新規ビジネスのチャンスと捉える県内企業からの相談などにもきめ細かく対応しているところであります。  今後は、こうした取り組みに加えて、「すご技」データベースを活用し、再生可能エネルギー関連事業に取り組む大手メーカーへビジネス商談会の開催を働きかけるなど、金融機関や民間企業等との連携による新規産業の創出・育成に取り組むことで、県内経済の活性化と雇用の創出に努めてまいりたいと思います。  その他の問題につきましては、関係理事者の方からお答えさせていただきますので、よろしくお願いいたします。 ○(長谷川淳二副知事) 議長 ○(岡田志朗議長) 長谷川副知事   〔長谷川淳二副知事登壇〕 ○(長谷川淳二副知事) 平和教育、平和行政についてのうち、非核法の法制化を求める提言についてのお尋ねでございます。  歴史上に刻まれた核兵器による広島、長崎の惨禍を二度と繰り返してはならないという強い思いは、全ての国民が共有しており、県内でも、昨年度までに、県議会を初め、全ての市町議会で非核平和の宣言が決議されているところでございます。  いわゆる非核三原則の法制化に関しましては、アメリカのオバマ大統領が核兵器のない世界を追求する決意を表明した平成21年度に、千葉、長崎、大分の3県で議会が意見書を議決しておりますことは承知しております。  本県におきましては、同じ時期の平成21年12月議会におきまして、国に対して非核三原則の堅持や核兵器廃絶の実現に向けた取り組みなどを求める「核兵器の廃絶と世界の恒久平和を求める意見書」が全会一致で議決され、県民を代表する県議会の意思が示されておりますことから、逢坂議員御提案の非核法の法制化を求めるということにつきましては、県民各界各層の機運の盛り上がりを見きわめながら対処していく必要があると考えております。  以上でございます。 ○(上甲俊史県民環境部長) 議長 ○(岡田志朗議長) 上甲県民環境部長   〔上甲俊史県民環境部長登壇〕 ○(上甲俊史県民環境部長) まず、男女共同参画について、私の方から2点お答えいたします。  1点目は、防災対策に関するお尋ねでございます。  東日本大震災では、避難所において女性用物資の不足や授乳等の場所の未設置のほか、応急住宅の運営が男性だけに委ねられるなど、さまざまな場面で女性への配慮を欠いた対応があったことは、被災地支援のために派遣した職員からの報告等で把握しております。  県では、既に平成17年度の県地域防災計画の修正の際、避難所におけるプライバシーや男女のニーズの違い等への配慮を行うよう記載しておりますが、さらに、本年10月末を目途に行う計画修正では、東日本大震災での課題を踏まえ、避難場所や応急住宅の運営における女性の参画と女性のニーズに配慮した対応を求めるといった、女性の視点を生かした防災対策の内容拡充を図ることとしております。  また、今議会には防災会議の委員定数を引き上げる条例改正案を上程しておりますが、新たに追加する委員につきましては、自主防災組織の構成員や学識経験者について女性を優先的に選考いたしますほか、女性に関する諸問題を調査研究している公共機関等の参画を求めることなどにより、女性の積極的な登用を図りたいと考えております。  今後とも、女性に配慮した防災対策の拡充に努めてまいりたいと考えております。  2点目は、女性に対する暴力に関するお尋ねでございます。  女性に対する暴力は重大な人権侵害で、男女共同参画社会の実現を阻害する要因でもあるため、県ではその根絶を第2次男女共同参画計画の重点目標に位置づけ、特に、表面化しにくく被害者の生命にもかかわることがあるDVにつきましては、基本計画を策定し、意識啓発を初め、相談体制の整備・充実、関係機関と連携した被害者の保護・自立支援など、総合的な施策の推進に努めております。  本県の配偶者暴力相談支援センターへの相談件数も、国と同様、平成14年度に比べ倍増しており、中には深刻なケースも見られます。  このため、今年度、新たに、DVの発見者となる可能性が高い民生児童委員や人権擁護委員等にリーフレットを配布し、相談窓口や保護命令制度の周知を図りますとともに、市町等の被害者支援にかかわる職員の資質向上のため、えひめ女性財団主催で研修会を開催したところであります。  また、DV未然防止のため、平成23年度から、従来からの大学生向け講座を高校生にも拡大し、意識啓発に努めております。  今後とも、DV被害の実態や関係機関の連絡会、有識者の推進会議における協議内容を踏まえて、常に施策を見直しながら、暴力を許さない社会を目指し、幅広い取り組みを推進してまいりたいと考えております。  次に、国会事故調の報告に対する見解についてのお尋ねがございました。  国会の事故調査委員会の報告は、国会が正式に調査したものであり、今後の原子力安全規制において重要な報告であると認識しております。  このほか、政府や民間の事故調においても、事故原因等について、さまざまな視点から議論の上、報告書が取りまとめられておりますことから、国においては、今後、これらの報告を踏まえて、再起動の判断も含め、安全規制に取り組んでいただきたいと考えております。  また、今回の報告では、地震や津波による複合災害で通信機器やモニタリングポストが被害を受け、情報伝達やモニタリングが困難になるとともに、正確な情報がないまま、複数回、あるいは高線量地域への避難や長期の屋内退避が行われるなど、さまざまな問題点が指摘されております。  県としましては、住民の安全確保が最優先との考えのもと、地域防災計画の修正はもちろんのこと、広域避難計画の策定、情報機器の多重化、バックアップ電源や通信機能の二重化などを備えたモニタリングポストの整備のほか、より実効性のある訓練を実施することとしており、今後とも、新たな知見等があれば適切に対応してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(神野健一郎保健福祉部長) 議長
    ○(岡田志朗議長) 神野保健福祉部長   〔神野健一郎保健福祉部長登壇〕 ○(神野健一郎保健福祉部長) 男女共同参画についてのうち、乳がんや子宮がん検診についてのお尋ねでございます。  女性特有の病気である乳がん、子宮がんは、他のがんと同様、何よりも早期発見・早期治療が大切でありますことから、このことを当事者である女性の方々に御認識いただき、検診を受診していただくことが重要と考えております。  このため、県では、乳がんの予防啓発を行うピンクリボン運動の展開やがん対策推進員の養成、企業との連携によるPRを通じた受診勧奨に力を注ぎますとともに、市町や保健医療機関と連携した商業施設での合同検診など、女性が受診しやすい検診機会の提供にも努めているところでございます。  しかしながら、市町が実施する検診の受診率は、がん対策推進計画の目標である50%には及ばない状況でありますことから、県といたしましては、今後とも、市町が配布している乳がんと子宮頸がんの検診の無料クーポン券のさらなる利用促進も含めまして、これまでの普及啓発や受診勧奨の取り組みを着実に進めますとともに、今年度から取り組むこととしているがん検診実態把握事業において、職域での検診等を含めたがん検診全体の受診状況を把握、分析した上で、より効果的な受診促進策の検討を行い、目標に向け、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(東倉勝利経済労働部長) 議長 ○(岡田志朗議長) 東倉経済労働部長   〔東倉勝利経済労働部長登壇〕 ○(東倉勝利経済労働部長) 再生可能エネルギーについて、2点お答えをいたします。  まず、官民共同での利用促進についてのお答えでございます。  今ほど知事から答弁しましたように、再生可能エネルギーにつきましては、現在の技術水準では代替エネルギーとして過度の期待はできませんが、エネルギーの供給の多様化や地球温暖化防止の観点から、利用促進に取り組まなければならない重要な課題でございます。  このため、県では、これまでも公共施設への太陽光発電設備の整備や各種バイオマスの活用に取り組みますとともに、昨年10月には住宅用太陽光発電の補助制度を創設し、今年度からは全市町と連携の上その普及に努めておりますが、さらに、企業向け県単低利融資制度を拡充しまして、引き続き再生可能エネルギーの利用促進に取り組むことといたしております。  なお、太陽光発電については、先行するドイツにおいて買い取り価格が大幅に引き下げられたことを踏まえますと、現行の固定価格買取制度を維持することができるのか、また、事業者には供給責任がなく、赤字になった場合、撤退の可能性も否定できないなど、将来の見通しが非常に不透明であるということを認識しておく必要があると考えております。  逢坂議員のお話の「せたがやソーラーさんさん事業」につきましては、官民共同で取り組む市区町村レベルの再生可能エネルギー推進の一つのモデルケースと理解をいたしておりまして、県としましては、固定価格買取制度の開始に伴う民間ベースでの導入の推移や、昨年度創設いたしました補助制度の事業効果等も見きわめながら、今後の施策展開の参考にさせていただきたいと思っております。  次に、節電対策の取り組みの成果や今後の取り組みについてお答えをいたします。  四国電力管内のこの夏の節電効果は、逢坂議員お話のとおり、計画を上回るものとなりましたが、これは、家庭や企業等があらゆる場面で節電に努めていただいたことに加え、定期検査を繰り延べていた火力発電所等の故障がなかったことや、水力発電についても天候に恵まれるなど、好条件が重なった結果と認識をいたしております。  しかしながら、こうしたぎりぎりの状況を恒常的に続けることは困難でございまして、県が実施した停電等の影響調査でも明らかとなりましたが、火力発電所の故障などにより不測の停電が起きれば、県民生活はもとより、企業活動から病院・警察・消防に至るまで甚大な影響が及びますことから、この冬以降の電力需要期に向け、電力供給面でしっかりとした対策を講じていく必要がございまして、今後、県といたしましては、国の方針も踏まえ、この夏の対策などを参考にできる限りの節電に努めますとともに、引き続き国や電力会社に対し、県民や企業の不安解消に向け、根本的な電力需給の安定化対策に取り組むよう要請してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(仙波隆三教育長) 議長 ○(岡田志朗議長) 仙波教育長   〔仙波隆三教育長登壇〕 ○(仙波隆三教育長) まず、平和教育について、中学校の修学旅行の行き先に関する御質問がございました。  修学旅行の行き先につきましては、旅行日数や経費の関係から、小学校では中国・九州方面、中学校では京阪神方面が大半となっておりまして、平成23年度には、修学旅行を実施した小学校319校のうち294校が被爆地の広島や長崎を訪れ、生命のとうとさや平和を守ることの大切さを学んだところでございます。  もとより平和をとうとぶ心や国際社会の平和と発展に寄与する態度を養う平和教育の推進は重要でございますが、中学校の修学旅行につきましては、先ほど申し上げましたような管内小学校での実施状況等を踏まえて、保護者の意向や子供たちの希望を尊重しつつ、経費、安全面、さらには教育効果等を総合的に勘案しながら、各学校が主体的に旅行先を決定しているところでございますから、県教育委員会といたしましても学校の自主性を尊重すべきものと考えております。  次に、教育行政について、3点御質問がございました。  1点目は、教育委員の役割とその責務についてでございます。  教育委員会は、教育の政治的中立性や継続性・安定性を確保し、地域住民の意向を反映した教育行政を実施するために設置された執行機関でございまして、各界から選出された教育委員は、合議により大所高所から教育行政の基本方針や重要事項等の決定に当たる役割と責務を有しております。  本県の教育委員は、これまでにも教育委員長の発案で臨時会を招集し、緊急課題への対応を協議したり、重要案件について、意思形成過程から協議に加わり、現地調査を実施してその成果を反映した施策を策定するなど、教育行政全般に責任を負う県民の代表として、主体性を持って適切にその職務を果たしていただいているところでございます。  しかしながら、学校での重大ないじめや教育関係予算など、重要な案件の審議につきましては、教育委員にこれまで以上に意思形成過程から参画をしていただき、委員・事務局相互の活発な議論を通じて、県民ニーズの反映や重点化を図っていく必要があると考えております。  現在、教育委員の方からも、勉強の機会や自由に意見交換ができる場をふやしたい等の提案が出ておりますことから、会議の運用について見直しを進めております。  今後とも、委員にタイムリーかつ十分な情報提供を行うとともに、議論の場を確保し、教育委員会の一層の活性化に努めてまいりたいと考えております。  2点目は、国のいじめ問題への対応強化と本県におけるいじめ対策についての御質問でございます。  文部科学省では、本年8月1日付で子ども安全対策支援室を設置し、当面の指針として「いじめ、学校安全等に関する総合的な取組方針」を策定いたしますとともに、このたびの概算要求においていじめ対策関連事業を大幅に増額要求したところでありまして、いじめ問題を地方任せにせず、子供の生命を守るために、国においても学校や教育委員会、家庭や地域等と一体となってしっかりと取り組んでもらいたいと考えております。  これまで県におきましては、いじめの早期発見や早期対応、未然防止を図るため、教職員等の資質向上に努めますとともに、学校と関係機関が連携いたしまして、各種の相談活動の充実やいじめ対策の実践的な調査研究、ネット上のいじめ対策、スクールカウンセラーの設置や学校トラブルサポートチームの派遣による学校現場への支援対策等に取り組んできたところでございます。  今後とも、いじめはどの学校でもどの子供にも起こり得るものとの認識のもとに、これまで以上に学校や市町教育委員会、警察や保護者等との連携を緊密にいたしますとともに、国の予算の動向等を注視しながら、複雑多様化するいじめ問題への適切な対応が図られますように、弁護士や臨床心理士等の専門家を活用した支援体制の拡充について検討するほか、松山市のいじめゼロミーティングの取り組みも参考にいたしまして、子供をいじめから守るセーフティーネットの構築を進めてまいりたいと考えております。  3点目は、小中学校の教職員に防災士資格の取得を積極的に進めてはどうかとの御質問でございますが、県の教育委員会では、学校の防災教育・防災管理の重要性に鑑みまして、今年度から公立の幼稚園、小中学校、高等学校、特別支援学校の全てに防災管理担当者を置きまして、東・中・南予で研修会を開催するなど、減災と防災力の向上のための体制整備に取り組んでおります。  逢坂議員お話のように、教員が防災士の資格を取得することは、学校の防災力の向上につながると考えられまして、自主防災組織の中心になる人材確保を目的に実施しております防災士養成講座におきまして、県・市町連携施策の取り組みとして、平成25年度には教員も受講対象に加える方向で、現在、要望のある市町と協議を進めております。  こうしたことから、小中学校教員に防災士の資格取得を進めるかどうかにつきましては、今後、その受講の成果を踏まえて検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(高木勇人警察本部長) 議長 ○(岡田志朗議長) 高木警察本部長   〔高木勇人警察本部長登壇〕 ○(高木勇人警察本部長) DV・ストーカー対策につきましてお尋ねがございました。  県警では、DV・ストーカー事案について、関係行政機関等とも連携し、被害者等の安全確保を最優先とした諸活動を講じることとしております。  具体的には、婦人相談所等と連携した一時避難場所や宿泊施設の確保、被害者の居所を知られないための住民基本台帳閲覧制限措置の支援、被害者の身辺における警戒活動などを行っております。  また、行為者に対しては、各種法令を積極的に適用した検挙や指導警告を実施するなど、事案に応じて必要な措置を講じ、早期解決に努めております。  議員御指摘のプロジェクトチームは、男女間の暴力を伴うトラブルへの対応を一層強化するため、事案対応に当たる警察署に対し、事件捜査、行政命令、被害者保護のため捜査員の派遣や助言指導など、警察本部としての支援を強化することを目的として今月7日に設置したものであります。  今後とも、関係行政機関等と連携し、警察の総合力を発揮して被害者の安全確保に万全を期してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(岡田志朗議長) 休憩いたします。午後1時から再開いたします。      午後0時7分 休憩   ―――――――――――――――――      午後1時 再開 ○(岡田志朗議長) 再開いたします。  質疑を続けます。 ○(松尾和久議員) 議長 ○(岡田志朗議長) 松尾和久議員   〔松尾和久議員登壇〕 ○(松尾和久議員) (拍手)自由民主党の松尾和久でございます。  本日、我が自由民主党の総裁選挙が行われております。今まさに午後1時から、党本部において第1回目の国会議員と地方票を合わせた投票が行われるところでありまして、そちらが気になってしようがない先生方もたくさんおられるとは思いますが、私の質問に耳を傾けていただけたらありがたいと思います。  3年前、それまで戦後長きにわたり政権を担ってきた自由民主党は、国民の皆様からの支持を失い、下野いたしました。一方で、我が国に漂っている閉塞感を打破し、新しい政治を進めてもらえることを期待され政権の座についた民主党政権は、外交、経済など何一つ国民の期待に応えることができていません。  本日、新たに自民党総裁になる人には、この国の将来ビジョンを示し、その実現に向けて着実に政策を進め、国民の生活の安定のみならず、国際社会においても日本がリーダー的存在感を示せるよう指導力を発揮していただきたいと切に願いながら、質問に入らせていただきます。  9月12日現在で、死者1万5,870人、行方不明者2,814人の犠牲を出したあの東日本大震災から、1年と半年が過ぎました。  先月、私は、自身3度目となる被災地訪問として宮城県石巻市に行ってまいりました。石巻市では、今なお、瓦れきや車がまちのあちらこちらに山になって残されており、復興とはほど遠い現状を見ました。  お話を聞かせていただいた2人の子供のお母さんは、「家具などを津波で流されたのはいいのですが、お金で買えないものをたくさんなくしたことがいまだにつらい」とおっしゃっていました。また、その方の友達で御主人と子供さんを亡くされた方は、今でも仲間の集まりにも出てこられないでいるとお聞きし、目に入るまちの復興だけではなく、人々の心のケアも大切な復興への条件だと改めて感じました。  県では、えひめ愛顔の助け合い基金を活用して、被災地のニーズに即した支援、愛媛らしい支援に取り組んでおられます。被災地学校修学旅行支援事業もそのうちの一つで、被災地からの修学旅行を受け入れ、愛媛の高校生との交流を図ったことは、双方にとって大変有意義だったとお聞きしており、県としての取り組みに感謝いたします。  逆に、岐阜県立岐阜北高等学校では、希望者を募り、36名の生徒と3名の教員が陸前高田市へことしの3月に訪問されたそうです。岐阜北高の教頭先生にお話を伺う機会がありお聞きすると、「帰ってきた生徒を見ると相当に感じるものがあったようです」とのことでした。  以下、参加した生徒の皆さんの感想を一部御紹介いたします。  陸前高田に着き、バスの外を見たとき、ここは日本なのというのが正直な気持ちだった。被災地、被災者と一くくりにしないでほしい。被災者には一人一人の生活があり、困っていることも一人一人違っている。そういうことを感じてほしいという現地の高校生の言葉に胸をつかれた。津波到達ラインを境にして何一つない世界を目の当たりにして、なぜか涙があふれてきた。そこにあった人々の営みが一瞬のうちに終わったと思うと、私たちが当たり前のように生活している日常の一つ一つが本当にありがたいことだと思ったなど、それぞれが自分の目で見て、肌で感じ、直接被災された皆さんのお話を聞いたことで、感じるものがあったことがわかります。  そこで、本県においても、修学旅行でも希望者による研修旅行でも構いません。愛媛の高校生、中学生の若い世代に、東日本大震災を経験してなお立ち上がろうとしている現地へ行く機会を、えひめ愛顔の助け合い基金を活用するなどして提供し、愛媛の未来を担う子供たちに人の痛みや苦しみ、そして力強く生きていくことの重みを感じ、豊かな人間性を育んでもらいたいと考えますが、県の御見解をお聞かせください。  次に、木造住宅の耐震化についてお伺いいたします。  去る8月29日に内閣府が公表した南海トラフ巨大地震による被害想定は、これまでの想定を大きく上回る規模の被害が想定されており、衝撃を受けました。  本県では、最悪のケースの場合、これまで県が想定していた約4倍となる約1万2,000人の死者が予想されており、今後はこの被害想定を念頭に、近い将来に発生が予想されている南海トラフ巨大地震に備えなければなりません。  さて、この最悪のケースにおける死亡原因の内訳を見ますと、津波による死者が約4,400人、屋内の物の落下や転倒を含む建物倒壊による死者が、それを上回り、約7,400人と予想されております。  一方、今回の被害想定では、防災対策の効果についても検証され、建物の耐震性を強化することで全国の死者を約85%減らせるとの推計も示されておりますが、取り組みによって助かる命もたくさんあることは事実であり、これからの対策がますます重要であると考えるのであります。  大地震によって建物の倒壊が心配されるのは老朽化した木造住宅でありますが、特に旧耐震基準である昭和56年5月以前に工事に着手した木造住宅については、早急に住宅の耐震化を図る必要があります。  県内市町では、これまで耐震診断に要する費用の一部を補助する木造住宅耐震診断補助事業に取り組まれ、平成18年度以降、県内全市町で実施されてまいりましたが、東日本大震災を受け、県としても木造住宅の耐震化を推進するため、昨年度の6月補正予算において、耐震診断の結果、倒壊の危険性があると判断された木造住宅の耐震改修費用を補助する市町の木造住宅耐震改修補助事業に対する財政支援制度を創設され、今年度からは県内全市町で実施されていると伺っており、今後、県内における木造住宅の耐震化が進むことを期待しております。  しかし、聞くところによりますと、昨年度は100戸、今年度は300戸の補助を想定していたものの、昨年度の実績は17戸で、今年度も8月末現在で19戸にとどまっていると伺っております。  現在の補助制度は、例えば工事費150万円の場合、上限額60万円のうち国が30万円、県と市町が15万円ずつ補助する仕組みとなっており、自己負担額は90万円になります。厳しい経済状況の中、この自己負担がネックとなり、また、今住んでいて不便がないから必要ないのではないかといった意識から、なかなか制度の利用が進んでいないのではないかと思いますが、今回の被害想定を受けて、県民の皆さんにも、みずからの命を守るため、いま一度耐震化の必要性について考えていただけることを願っております。  そこで、お尋ねいたします。  来る大地震に備え、ぜひ県民の皆さんにも制度を利用して耐震化を図っていただきたいと思いますが、県として、今後、どのように住宅の耐震化の有効性を県民の皆さんに知っていただき、木造住宅耐震改修補助事業の利用促進に努めていかれるのか、御所見をお聞かせください。  次に、発達障害者の支援についてお尋ねいたします。  先天的な脳の機能障害である発達障害の代表的なものとして、広汎性発達障害(自閉症)、高機能広汎性発達障害、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、学習障害などがあります。一言で発達障害といっても、その状態は多様です。  発達障害では、幼少時からの一貫した指導がないと二次的な問題が大きくなり、知的な能力は高くとも社会適応は難しくなることがあると言われています。発達障害の人たちの場合、問題となるリスクを減らしていく意味でも、彼らのよりよい人生を確かなものにする意味でも、早期からの専門的な療育や発達支援が必要です。  しかしながら、発達障害についてまだまだ理解がされておらず、「障害特性からできないこと、苦手なことも、怠けている、サボっていると誤解されて、叱られたり、いじめに遭ったりしてしまっています」という声も聞きます。  ことしの7月に、発達障害を持つ人を支援するNPO法人の方や保護者の方と意見交換会を開催させていただきました。その際に出てきたいろいろな意見の中に、「障害者には、1、本人の力、2、周囲の理解、3、支援する人の力の3つが必要なんです」との指摘がありました。私たちが発達障害に対する理解を深め、一人一人の状態に合わせて接し、一緒に考えてあげることが必要なんだと感じました。  東予地方局では、発達障害者の支援に当たっては、幼児期から成人期まで一貫した支援が有効であり、特に就学前の時期には、早期発見・途切れのない支援システムの確立が必要であるとして、広域的なネットワークを確立し、普及啓発や専門家チームによる支援等、発達障害支援体制の整備を図る発達障害ネットワーク事業を平成21年度から平成23年度にかけて進められ、東予地域における支援体制は充実したものになったと感じております。  一方で、東・中・南予での支援体制の格差については、保護者など関係者の皆さんからも指摘されております。  そこで、県では、今回の発達障害ネットワーク事業での成果をどのように捉え、今後、東予地域のみならず、中予、南予地域での発達障害者への支援拡充、地域間格差是正にどのように取り組んでいくお考えか、お聞かせください。  また、発達障害者の早期発見・早期対応に当たっては、やはり発達障害をよく知る人に実際の現場を見てもらった上でのアドバイスが有効であり、保護者の皆さんからの要望の声も聞いております。  厚生労働省では、平成23年度から巡回支援専門員整備事業を進めています。これは、発達障害等に関する知識を有する専門員が、保育所等の子供やその親が集まる施設・場を巡回し、施設のスタッフや親に対し障害の早期発見・早期対応のための助言等の支援を行うというものであり、事業主体は市町になりますが、愛媛県内でこの事業を実施している市町はいまだにゼロであります。  そこで、県として、どのように市町と連携して取り組んでいかれるのか、御所見をお聞かせください。  次に、心疾患死亡率の改善についてお尋ねいたします。  厚生労働省がことし3月に発表した「都道府県別にみた死亡の状況」によりますと、日本人の主な死因である心疾患の年齢調整死亡率が、平成22年に本県が女性1位、男性が2位で、全国ワースト1だったことがわかりました。この調査は5年に1度行われ、平成17年の調査でも女性が1位、男性が4位と、他県に比べて高い状態が続いています。  心疾患は、急性心筋梗塞、虚血性心疾患、心不全などの心臓に関する疾患で、全国の死亡原因でがんに次いで2番目に多いことがわかっています。  徳島県は、厚生労働省がまとめる人口動態統計において、平成5年から14年連続で糖尿病死亡率全国ワースト1を記録しました。そこで、平成17年に県医師会と共同で糖尿病緊急事態宣言を行って、県民挙げての糖尿病対策運動を展開しております。  また、糖尿病の克服は、喫緊の地域課題であるとともに世界共通の課題であるとして、徳島大学を初め産学官の連携により、地域の特性を生かしながら新たな検査・診断装置や治療法を開発し、県民の糖尿病死亡率の改善につなげるとともに、世界レベルの糖尿病研究開発臨床拠点の構築を目指す徳島健康・医療クラスター構想を推進しています。  その後の徳島県の糖尿病死亡率は、残念ながら、平成19年に一時改善したものの、平成20年から再び4年連続で全国ワースト1を記録しております。しかし、こうした対策は息の長い取り組みが必要であり、近い将来、その効果があらわれるのではないかと考えております。
     本県でも、この不名誉な心疾患死亡率全国ワースト1返上のために取り組んでいく課題があると考えます。  心疾患の中でも、本県では、心不全による死亡が全国と比べて格段に多くなっております。心不全は、心臓のポンプ機能が障害されたために、体が必要とする血液を心臓から送り出せなくなった状態をいい、心不全の原因となる疾患は、もとは高血圧と動脈硬化にほとんど由来すると言われています。  これらの予防には、高コレステロールの食事を控える、肥満を防ぐ、塩分を控え目にする、禁煙するなど、家庭でも取り組むことができる予防があります。  また、心臓の弁の異常を早期に発見し治療するなど、医師との連携も大切になってくると考えます。早期発見のための心臓ドックの推進などに取り組まれてはいかがでしょうか。  そこで、お伺いいたします。  県では、心疾患死亡率全国ワースト1をどのように捉え、今後、心疾患対策にどう取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。  次に、いじめ問題についてお尋ねいたします。  御案内のとおり、昨年10月に、同級生からいじめを受けていた大津市の男子中学生がみずからその命を絶つという極めて痛ましい事件が発生し、ことし7月以降、連日のように報道で取り上げられております。  この生徒が受けていたいじめの内容や、学校・市教育委員会の対応が明らかになるにつれ、関係者への怒りがこみ上げてくるとともに、生徒のSOSに気づき、きちんと対応していれば、とうとい命を救うことができたのではないかと思うと、やるせない気持ちでいっぱいであります。  いじめによる自殺は、これまでにも何度となく重大な社会問題として取り上げられてまいりました。最近では、平成18年ごろにいじめを苦にした児童生徒の自殺が全国で相次いで発生したことから、学校や教育委員会を中心に、徹底した取り組みが求められてきたところであります。  文部科学省では、平成18年度から、いじめの定義を「当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの」へと変更し、発生件数を認知件数に改めました。  このことは、より被害者の立場に立って積極的にいじめを認知することの必要性を説くものであり、その趣旨のもと、全国の学校や教育委員会ではさまざまな取り組みが行われていると伺っております。こうした動きの中で、今まで見えなかった多くのいじめが認知されるようになりました。  本県の公立学校においても、組織の改編やさまざまな取り組みが行われ、平成18年度には1,794件もあった認知件数は、その後、年々漸減しておりましたが、先日公表された平成23年度の認知件数は、前年度からやや増加して727件となったとのことであります。  ただ認知件数の多寡をもっていじめ対策の評価をするべきものではなく、一つでも多くのいじめを発見し、その一つ一つを迅速かつ着実に解消していくことによって、全ての児童生徒が毎日楽しく学校生活を送れるようにすることが何よりも大切なのであります。  特に、今回の大津市の事件では、周囲の生徒からいじめの連絡を受けても、当事者からの聞き取りのみでけんかと判断したり、自殺後、全校生徒に実施したアンケートへの回答を一部公表していなかったりと、いじめ問題発生時における調査の不十分さや、これに伴う対応のおくれはもとより、情報公開のあり方についても厳しい批判を受けており、身内とやゆされる学校と市教育委員会の関係、警察を初めとする関係機関との連携、また、市教育委員会に対する県教育委員会の指導についても論議を呼んでいるところであります。  そこで、お伺いいたします。  県教育委員会では、いじめ問題をどのように捉え、その解決に向けてどのような具体的な取り組みを実践しているのか、大津市の事件を踏まえ、当面どのような対応を進めるのかも含め、お聞かせいただきたいのであります。  次に、交通死亡事故抑止“アンダー60”の達成に向けた取り組みについてお伺いいたします。  本県では、昨年に引き続き、交通死亡事故抑止“アンダー60”を目標に掲げ、県民総ぐるみ運動として各種交通安全対策に取り組んでいるところであります。  昨年は、目標の“アンダー60”に対し、残念ながら91名の方が交通事故によってとうとい命をなくされました。警察を初め、多くの関係者の皆さんの努力に感謝しつつ、一層の奮起を期待しているところであります。  交通事故のない安全・安心な交通社会の実現は、全ての県民の願いであります。我々議員としても、悲惨な交通事故を防止するため、今後とも支援してまいりたいと考えております。  そんな中、本年の交通事故を見てみますと、発生件数、死者数、負傷者数とも昨年に比べて大幅に減少し、死者数は8月末現在37人で、昨年と比較して22人減少しております。特に、例年、交通事故の発生件数が多くなる傾向にある夏場ですが、6月から7月にかけての29日間は交通死亡事故の発生がなく、これは、統計が残る昭和50年以降では、平成21年の33日間に次ぐ記録であると伺っております。  最近、地元松山市内の主要な交差点において街頭指導をしている警察官や、赤色灯を点灯して走行しているパトカー、白バイをよく見かけますが、こうした活動は、ドライバーや歩行者に緊張感を与えるだけでなく、地域住民に安心感をもたらし、犯罪予防にもつながる非常に効果の高い活動であると評価しているところであります。  今後も、交通事故を一件でも減らし、犠牲者を一人でも少なくするため、自治体を初め、関係機関・団体・企業・地域住民の方々との連携を図りながら、より一層強力に交通安全対策を推進していただきたいと考えます。  そして、ことしこそ交通死亡事故抑止“アンダー60”が達成できることを強く願っております。  そこで、お伺いいたします。  目標達成のためには、ことしの残り3カ月間の取り組みが重要であると考えますが、交通死亡事故抑止“アンダー60”の達成に向けた見通しとこれからの取り組みについて、警察本部長のお考えをお聞かせください。  次に、振り込め詐欺の防止と犯罪の起きにくい社会づくりについてお尋ねいたします。  県内における刑法犯認知件数は、戦後最悪を記録した平成15年を境に、翌年から8年連続で減少を続けており、ことしも8月末現在、前年同期に比べ約12%減少するなど、治安情勢に一定の改善が見られます。  しかしながら、統計の上では治安回復の兆しが認められる反面、県民が身近に不安を感じる犯罪、とりわけ社会的弱者であります子供や女性、高齢者などを狙った事件は後を絶たず、安全・安心を十分に実感する状況には至っていないと感じているところであります。  この中でも、特に、ことしに入ってから振り込め詐欺被害が急増していると伺っております。8月末現在の被害状況では、おれおれ詐欺や還付金等詐欺などの振り込め詐欺の被害件数は、前年比16件増の40件、被害総額は前年比約4,200万円増の約6,360万円と大幅に増加しているとのことであります。  また、最近の傾向では、未公開株や社債、外国通貨などの購入を名目とした利殖勧誘詐欺事件の被害件数が、前年比4倍増の20件、被害総額は前年比3,250万円増の6,400万円にも上っていると伺っております。  振り込め詐欺が社会問題化して久しいところでありますが、この種の犯罪は、取り締まりを免れるために、だましの方法や金銭受け取りの手段などを巧妙に変化させており、主な被害者である高齢者の親心や良心につけ込むことで、金銭被害ばかりでなく、被害者の心にも大きな傷を残す悪質な犯罪であることから、警察には、取り締まり強化とあわせて工夫を凝らした未然防止活動にも御尽力いただきたいのであります。  振り込め詐欺等が発生する背景には、これまで我が国の良好な治安を支えてきた地域や家庭のきずな、連帯感が社会環境の変化とともに希薄化しつつあることに加え、社会の規範意識が低下してきたことなども影響している側面があるのではないかと思います。  県警では、犯行グループから押収した名簿類の分析結果を踏まえて、名簿記載者に直接注意喚起を呼びかける新たな対策のほか、小学校の児童と協力して高齢者に詐欺被害防止を呼びかける取り組みや、家庭のきずなをテーマとした予防対策なども行っているとのことであります。  地域における世代間の交流に配慮した取り組みや、家庭のきずなの深化に努める活動は、犯罪に対する県民の意識高揚や、地域、家庭のきずな、連帯感を強化し、犯罪の起きにくい社会づくりを進める上で非常に重要であると考えます。県警には、引き続き社会全体で犯罪の起きにくい社会づくりを推進していただきたいところであります。  そこで、お伺いいたします。  ことし急増傾向にある振り込め詐欺の被害防止対策をどのように進めていくのか。また、犯罪防止対策の核として、今後、どのように犯罪の起きにくい社会づくりを進めていくのか、お尋ねいたします。  終わりに、国政に対する不信から、本会議でも国政への多くの批判の声が上がっております。政治に対する信頼がないことは、国民にとって大変不幸なことであります。  私も二元代表制の一翼を担う議会の一員であるとの自負を持って、県民の皆様からその信頼を得られるように、今後とも職責を全うしてまいりたいと存じます。  御清聴まことにありがとうございました。(拍手) ○(岡田志朗議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(岡田志朗議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 松尾議員に、まず、住宅の耐震問題についてお答えをさせていただきます。  県では、東日本大震災を踏まえ、切迫する東南海・南海地震から県民の命を守るため、昨年8月に市町が行う木造住宅耐震改修事業への支援制度を創設し、今年度は補助対象戸数を100戸から300戸に拡充したところでございます。  県としては、この間、事業の利用促進を図るため、建築士や建築業者に対する耐震技術講習会を開催するとともに、県民に対する防災講習会への専門家の派遣、さらには、広報紙やホームページによる事業のPR等を行ってきたところではありますが、事業の創設後間もないことや、昭和56年以前に建築された古い住宅に対し所有者が投資をちゅうちょするなどの理由から、現時点での利用実績が伸びていない状況にございます。  このような中、8月に発表された南海トラフ巨大地震による被害想定では、建物の倒壊による死者が甚大となることが予測される一方、耐震化によりその数は激減するとの報告がなされ、改めて木造住宅の耐震改修の促進を図る必要があるものと認識したところでございます。  このことから、今後は、各地域で開催する講習会において、巨大地震により想定される各地域の震度、耐震化による被害の軽減効果、改修工事の事例等を県民に説明するなど、市町と連携して耐震改修補助事業の一層の利用促進に努めてまいりたいと思います。  次に、発達障害ネットワーク事業に関する質問でございますけれども、東予地方局で取り組んできた発達障害ネットワーク事業の成果としては、専門窓口が四国中央市や新居浜市に加え、新たに西条市、今治市に設置されたほか、上島町も来年4月の設置に向けた準備が進むなど、地域全体で発達障害を支える意識の醸成と支援体制の強化が図られたのではなかろうかと認識をしております。  一方、中予・南予地域においては、松山市や東温市などで発達障害にも対応できる総合相談窓口の設置等の取り組みが見られるものの、全体としては東予地域ほどの支援体制にはなっていないため、本年7月に県発達障害者支援センターが、県内全域の市町、保育所等の関係職員約350人の参加を得て、東予地域の取り組みを紹介して、地域における支援体制のあり方を考える研修会を開催したところでございます。  今後、さらに、同センターが中心となって、中予・南予地域における関係機関や保護者等との意見交換を行うセミナーの開催や、発達障害の特性・支援の仕方などを掲載した支援者向けのハンドブックの作成に取り組むこととしており、これら事業を通じて、県内のどの地域においても発達障害者が幼児期から成人期まで途切れのない支援を受けられるよう、早期発見、相談支援体制の拡充と市町域を超えた支援のネットワーク化に取り組んでいきたいと思います。  その他の質問につきましては、関係理事者の方からお答えさせていただきますので、よろしくお願いいたします。 ○(神野健一郎保健福祉部長) 議長 ○(岡田志朗議長) 神野保健福祉部長   〔神野健一郎保健福祉部長登壇〕 ○(神野健一郎保健福祉部長) まず、発達障害者支援についてのうち、巡回支援専門員整備事業についてのお尋ねでございます。  巡回支援専門員整備事業は、子供の発達が気になる段階から支援を行うための体制整備を図ることを目的として、市町村が実施主体となり、医師や保育士などの発達障害に関する知識を有する専門員が保育所等への巡回支援を実施しまして、施設の職員や保護者等に対し、障害の早期発見・早期対応のための助言等を行うものでございます。  この事業は、中四国9県の中でも2県で2カ所しか実施されていない状況でございまして、松尾議員御指摘のように、本県ではまだ実施している市町はありませんが、現在、複数の市町において、来年度からの国庫補助事業による本格実施を目指し、取り組みが開始されている状況にございます。  県では、この事業は身近な市町においてきめ細かな相談支援等を行うことができますことから、県内市町に積極的な活用を検討いただくよう情報提供や助言を行っているところでありまして、今後、実施を希望する市町に対して国との協議に向けた必要な助言等を行い、円滑な事業開始につなげますとともに、県発達障害者支援センターが技術的援助を行うなどして連携を図りながら、効果的な事業の実施ができるよう支援してまいりたいと考えております。  次に、心疾患死亡率全国ワースト1をどのように捉え、対策にどう取り組んでいくのかとのお尋ねでございます。  厚生労働省が公表しております平成22年の都道府県別年齢調整死亡率によりますと、心疾患による死亡率が残念なことに本県は女性1位、男性2位となっておりまして、その内訳を見ると、特に心不全による死亡率が高くなっております。  一方で、厚生労働省の国民健康・栄養調査の結果等を見ますと、本県の肥満者の割合、塩分摂取量、喫煙率など心不全等の原因となる生活習慣に係る数値は、全国と比べ特別悪い値とはなっておりません。さらに、高血圧や動脈硬化が直接影響する急性心筋梗塞等による死亡率は全国並みでありまして、現時点では、本県で心疾患による死亡率が高くなっている要因や、これを直接的に低減するための効果的な対応策は見出せていないところでございます。  しかしながら、県といたしましても、ワースト1は返上したいところでありまして、松尾議員お話の心臓ドックにつきましては、これは個人の任意受診として位置づけられていることから、県として受診勧奨することは難しいと考えておりますが、今後、心疾患予防のための食生活や運動習慣の改善、禁煙の推進など、総合的な生活習慣病対策に引き続き取り組みますとともに、今年度策定する次期の県民健康づくり計画の検討や医療機関との意見交換等を通じて、積極的な情報収集に努め、対応策を探ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(仙波隆三教育長) 議長 ○(岡田志朗議長) 仙波教育長   〔仙波隆三教育長登壇〕 ○(仙波隆三教育長) まず、中学生や高校生の東日本大震災被災地への派遣についての御質問でございます。  本県の高校生などが被災地を訪れ、被災の状況を体で感じたり、現地で支援活動等を行うことは、被災地の復興や社会に貢献しようとする気持ちを養う上で貴重な体験になるものと考えております。  こうしたことから、ことし8月には、大洲農業高校の生徒9名が研修旅行で宮城県山元町等を訪れ、現場実習の一環として農家の復興支援活動を行いましたほか、ヤングボランティアセンターに登録をしております高校生15名が、えひめ愛顔の助け合い基金を活用して、宮城県七ケ浜町の仮設住宅の集会所等でボランティア活動に取り組んだところでございます。  さらに、この11月には、宇和島水産高校の生徒約20名が航海実習を兼ねて石巻市を訪問し、支援物資を被災者の方々に届けることにしております。  このほか、全国大会出場等の機会を利用いたしまして、これまでに県立学校の延べ7校、112名の生徒が被災地を訪問いたしまして、復興支援活動や交流活動を行っておりまして、県教育委員会といたしましては、今後とも、愛媛の子供たちがさまざまな機会を利用して被災地の復興支援や交流活動に取り組むことができますよう、支援を行ってまいりたいと考えております。  次に、いじめ問題についての御質問がございました。  いじめは、重大な人権侵害であり、どの学校にもどの子供にも起こり得る問題と認識をいたしておりまして、関係機関等との連携を密にしながら、早期発見・早期対応、未然防止を基本にいたしまして、真摯に取り組まなければならない問題であると考えております。  このため、県教育委員会では、各学校でのアンケート調査等を通じたいじめ認知状況の把握、24時間対応の電話相談の開設、学校裏サイト等監視員の設置等により、早期発見に努めますとともに、スクールカウンセラー等の配置や、市町教育委員会や学校との連携強化を図る県いじめ問題連絡協議会の開催、いじめ対策総合推進研究等によりまして、学校現場での早期解決、未然防止に取り組んでおります。  また、解決困難な事例に対しましては、弁護士等の専門家による学校トラブルサポートチームや県教育委員会内のいじめ問題対策チーム会議によりまして、効果的な方策等について助言するなど、関係機関と一体となってさまざまな取り組みを実践しているところでございます。  さらに、大津市の事件を受けまして、全ての公立学校に対し、いじめへの取り組みを再度徹底・強化するよう促しますとともに、文部科学省が実施しております全国調査の結果をもとに、問題点があれば早急に改善を図りますほか、松山市では子供が主体的にいじめ問題に取り組むいじめゼロミーティングにより効果を上げていると聞いておりますので、このような事例も参考にしながら、子供たちの命を守る安全・安心な学校づくりに努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(高木勇人警察本部長) 議長 ○(岡田志朗議長) 高木警察本部長   〔高木勇人警察本部長登壇〕 ○(高木勇人警察本部長) まず、交通事故抑止対策についてお尋ねがございました。  県警では、登下校、通勤時間帯における交通監視の強化などにより、警察官の姿を見せる街頭活動を推進しております。また、例年飲酒運転が多い8月には、プロジェクトチームを編成し、飲酒運転取り締まりを強化するなど、悪質・危険な違反に重点を指向して取り締まりを行っております。  さらに、街頭活動に当たってはボランティアと協働してこれを行うほか、高齢者世帯への訪問活動、その他の広報・啓発活動などを自治体、企業、地域住民等と一体となって推進しております。  こうした県民総ぐるみの活動の結果、本年の交通事故による死者数は、昨日現在で38人と前年比28人減少しており、“アンダー60”の達成も十分に可能な状況と考えております。  現在は秋の全国交通安全運動を実施中ですが、今後は、これまでの対策に加え、例えば児童・生徒に係る自転車の交通違反情報を学校へ連絡して指導していただく制度の効果的な運用、通学路点検で必要と認められた対策を含めた交通安全施設の整備、高齢者の交通事故防止に関してその家族や介護者にも働きかけを行うことなど、さまざまな対策を工夫して、積極的に推進してまいりたいと考えております。  次に、振り込め詐欺対策についてお尋ねがありました。  県警では、振り込め詐欺等の被害防止対策として、ボランティア団体や関係機関とも協力しつつ、金融機関やスーパー等のATMコーナーにおける警戒や声かけ、敬老の日等の各種行事における広報活動や被害防止講話、高齢者世帯を訪問して行う留守番電話機能の活用などの被害防止のための広報、空港や駅等において帰省客を対象に行う家族の絆強化キャンペーンなどを実施しております。  また、本年7月からは、全国の振り込め詐欺等の捜査の過程で押収された名簿を利用した対策を開始しており、毎月約300人の名簿登載者に警察官が直接面接し、名簿に登載されているという事実を告げた上で注意喚起を行っているところであります。  今後も、こうした対策を継続するとともに、検挙にも努めることにより、振り込め詐欺等の被害防止を図ってまいります。  最後に、犯罪の起きにくい社会づくりについてお尋ねがありました。  犯罪の起きにくい安全で安心な社会づくりは、みずからの安全はみずから守る、地域の安全は地域で守るという防犯意識のもと、県民、事業者及び各種団体による犯罪防止のための自主的な活動を基本とし、県、市町及び県民等が相互に連携協力し推進しなければ実現できないものと認識しております。  そのため、県警といたしましては、県民、事業者や防犯活動を行う団体などに対して、犯罪の発生状況や犯罪の未然防止方法など、防犯活動を行う上で必要な情報のタイムリーな提供を行うほか、犯罪の防止に配慮した環境整備への適切な助言などの支援に努めてまいります。  具体的には、地元企業との間における防犯と情報提供に関する協定の締結、いわゆる青パトを運用する団体など防犯ボランティアとの合同パトロール、企業や地域団体が防犯カメラを設置する場合の助言などを実施していく考えであります。  以上でございます。   ――――――――――――――――― ○(岡田志朗議長) 以上で本日の日程を終了いたしました。  明27日は、午前10時から本会議を開きます。
     日程は、全議案に対する審議の続行であります。  本日は、これをもって散会いたします。      午後1時47分 散会...